あつ

学校の怪談3のあつのネタバレレビュー・内容・結末

学校の怪談3(1997年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

監督、脚本家が過去2作品とは異なる本作。あくまでも1と2では「学校の」というところに重点を置いており、学校の中で小学生たちが不気味に感じるような場所やモノ、そして人を使ってホラー描写を作っていてそれが小学生目線に立った制作態度であり大人からすればノスタルジーをそこから感じられて良かったわけだが本作ではその枠を飛び出しているところに良い意味でも悪い意味でもこれまでとの違いが出ているように思った。(個人的には過去2作の方が好き。)

子供たちの小学生らしい交流は本作もとても微笑ましくて良かった。
母親の再婚で突然できた義理の兄妹という込み入った登場人物の登場に驚いたし「今までは幸せじゃなかったのかよ」という主人公が母親に言い放った言葉が重すぎて序盤からまあまあ鬱だったが学校での困難を共に乗り越えたことでその辺の問題をまるっと解決させる力業と彼らの平和的な関係の築き方がとても良かった。

また、これまでの2作品では気になる異性に対して意地悪な態度をとって喧嘩したりするような小学生らしい恋愛要素の描写は若干程度あったが本作は告白シーンがあったりと、明確な恋愛要素があってその点も少し驚いた。ませた子供たちの掛け合いが面白くてその要素も楽しんでいたが、まさか最後の最後「早く行かないと泣いちゃうよ?」でちゃんとキュンキュンさせられた。学校の怪談でキュンキュンするとは。

CG技術の多用もかなり前2作品とは違いがある。校舎の倒壊というほぼお決まりのクライマックス展開だが、過去作では実際のセットでそれを演出していたが本作ではそれをCGで見せることで規模のデカい描写にはなっていた。しかし、その分どこかチープな映像になっているシーンも多いように感じた。個人的にはそういった展開や仕掛けを実物で見せるところに本作の魅力を感じていたのでその点が変わってしまったのがとても残念だった。

肝心な部分でかなり過去2作品とは異なる本作。やはり自分としては「学校の怪談」というテーマの中で戦ってる1,2の方が圧倒的に好き。なんだよあのゾンビとかのっぺらぼう。ちゃんと学校の怪談やってくれ。
あつ

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