ユウ

ニキータのユウのレビュー・感想・評価

ニキータ(1990年製作の映画)
5.0
「生きた人間に硫酸ぶっかける映画」として有名な本作。
あまりに衝撃的なシーンであるため、ここだけを覚えてる人も少なからずいるだろう。
(まあ、生きた人間にかけてるのは事故みたいなものなのだが)

一度の殺人の償いとして政府の黒い犬、すなわち特殊工作員になることを運命付けられた少女の物語。

この映画はいかに予算を抑えるかという課題を念頭に制作されている。
というのも当時のリュック・ベッソン監督には、(莫大な予算がかかる)スペースオペラ超大作(のちにフィフス・エレメントとして世に出るシナリオ)を作るという野望があり、そのためにとにかく金になる作品を作る必要があった。
そんな逆境の中で、脇役として出演したジャンはチャンスを掴み、クリーナーを好演。後のサブカルチャーにおいて、クリーナー=殺し屋というミームを定着させるまで波紋を広げた。

この映画の特徴的な演出として「デカい銃」がある。
初仕事でお披露目される大型拳銃のデザートイーグルに始まり、ブルパップ式アサルトライフルのステアーAUGで狙撃を行うなど、敢えて大きくかつ象徴的なデザインの銃をジョゼフィーヌに持たせることで、過酷な運命を背負わされた少女という構図を視覚的に印象付けるのが狙いだったとか。

事実これは効果的なギミックとして働いており、ボブからの指示でステアーのパーツを見つけた瞬間「また銃だよ!!」と視聴者も思うこと請け合いである。
特殊工作員を描いた映画なので、そりゃそうだって言われりゃそりゃそうなんですが。

ちなみに本作には没エンディングがあり、リメイク版のアサシンに採用されている。
まあ、件のアサシンが本作の劣化コピーレベルの駄作である問題点があるが。
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