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夢見通りの人々のchiyoのレビュー・感想・評価

夢見通りの人々(1989年製作の映画)
5.0
2021/8/28
大阪の夢見通り商店街で暮らす春太。演じるのが小倉久寛だけあって、冴えないけれど性格はお人好し。そして、お笑い芸人が多数出演し、ノリとしては所謂こてこてなもの。が、刺青ありの元ヤクザ、子どもが出来た高校生カップル、当時は今よりも世間的に厳しかっただろう同性愛者と、マイノリティーに生きる人たちが取り上げられる。他の作品でも見られたけれど、森崎監督のスタンスは“みんな違ってみんな良い”ではなく、“みんな違って当たり前”。どぎつさの中に感じる優しさが心地好く、本作ではそれが特に顕著。理解する云々よりも、そういうものだと思えば良い、と教えてくれているかのよう。「雨に唄えば」にオマージュを捧げたようなラストも微笑ましく、最初から最後まで楽しく笑って観られる映画だった。大好き!
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