takakage

男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日のtakakageのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

第40作。ふむー、男はつらいよはここに来て快作連発ですな。満男やあけみ、寅さん以外のキャラが濃くなってきてるのが吉となっている。みつお、あけみと寅さんの関係性の描写がほんと良い。シリーズ後半の方のマドンナはくどくなく、ほんわりとマドンナ側からも寅さんへの好意が滲み出る感じが良い。今作の三田佳子さん、若い頃美人過ぎ。寅さんに対して急に「女」を出したりと、寅さんの前ではどんな人でも素が出て、1人の「人間」に戻れる。これが男はつらいよ、車寅次郎の最大の魅力じゃないですかね。寅さん独特の話し方は引き込まれて、何か納得してしまう。。

とらやも店員さんを雇ったり、さくらが色々店のこと面倒見てたり、確実に流れている時間の描写も秀逸。切ないけれど、そこがよりリアリティを引き出している。マドンナはたしかに美しいけど、さくらの美しさ、魅力はほんとすごい。結局、さくらがシリーズ最大のマドンナ。正月の時のちょっと気合の入ったさくらがほんと綺麗。

サラダ記念日の使い方や、サザンのステレオ太陽族がBGMにかかったり、一気に時代が進んだ感じがある。映画内に出てくる設えもどんどん現代化してるし。しかし、男はつらいよといい、俵万智といい、サザンといい、30年以上たった今でもまったく古ぼけることなく良いなと思えるのが怖いくらい凄い。そして自分が1歳の時の作品を、Huluとプロジェクターで、家で大画面で堪能できる現代社会にも大感謝、


バカは死ななきゃ治らねえってのは、俺のことさ
せめて、お前の息子に、おじさんのようにはなるなよって、朝晩言って聞かせてくれ
むしろ即死を望みますね、即死
はぁ、いい月でございますねぇ。それじゃ、ごめんなすって
しかし、同じじじいババアにしても、温かい家族に囲まれて、うまいものをたらふく食って、ブクブク太っているじじいババアもいれば、あのような気の毒な年寄りもいる
学生だろ、頭鍛えろよ
インドのとおりゃんせ
まるでわからない
あれ、ワットが発明したの?嘘デェ笑
その悪い頭でよく覚えとけ
はい、くるまや。夕方は団子はぬぁい
おい、源公。渡し舟くらい乗ってもいいけどな、もしひっくり返るようなことがあったら、お前1人犠牲になって死ね
変に敏感だからな、俺って
いえいえ、俺保険証持ってないから
寅さんといるとねぇ、あたしが1人の女だったということに気がつくの
寅のような無欲な男と話していると、むしろホッとします。あれは、あのままでいい
何のために大学いくのかな?
→決まってるでしょう。これは勉強するためです。
→じゃあなんのために勉強するのかな?
→そーゆー難しいことを聞くなって言ったろ、お前に。つまり、あれだよ、ほら、人間長い間生きてりゃ色んなことにぶつかるだろ。な。そんな時に俺みてえに勉強してないやつは、このふったサイコロの出た目で決めるとか、その時の気分で決めるよりしょうがない。な。ところが勉強したやつは、自分の頭でキチッと筋道を立てて、はて、こんな時はどうしたらいいかなと考えることができるんだ。だからみんな大学行くんじゃねえか。久しぶりにキチィッとしたこと考えたら頭痛くなっちゃった。
おばさまは女だ。悲しいことや辛いことがあったときに、ちゃんと筋道を立てて、どうしたらいいかなと考えてくれる人が必要なんだよ。ゆきちゃん、そーゆー人探してやんな。な?
→でも、その人が寅さんじゃいけないの?
→バカなこと言っちゃいけねえ。おばさまが聞いたら怒るよ。
→寅さん、好きなのね。おばちゃまが。
ゆきちゃんも、うんと恋をして、いい歌を作んな。な。あばよ。
takakage

takakage