Violette

オール・ザ・キングスメンのVioletteのレビュー・感想・評価

オール・ザ・キングスメン(2006年製作の映画)
2.5
1949のロバート・ロッセン版を見て展開は知っていたので原作がどちらに近いかはわからないが二作の脚色や演出の違いなどを主に観た。
長い割に人間関係とそこにある感情の描き方が薄い。親密さや捻れが表面的に見えてしまった。役者が豪華すぎてバイアスがかかったかな。ショーン・ペンの序盤の不正を正して清い政治をしようとした意気込みや人物像が出てなくて、役者の印象とその場面への時間の割き方が少なすぎたと思う。不正を嫌った人が汚職に塗れたという重要なテーマをもっと強めに変化を見せてほしかった。ケイト・ウィンスレットとの関係もただの話しだけで2人のデート場面もないし、パトリシア・クラークソンの嫉妬場面もとってつけたようであれならいらなかった。
前作よりよかったのはマーク・ラファロの凶行の理由がわかりやすかったことくらい。

時代感もあってロバート・ロッセン版もものすごく良いとは思えなかったが、これと比べると短い時間に変化や感情をうまく入れ込んでいたと気づけた。その意味で見てよかった。でも観るならロッセン版を勧めます。
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