dita

沈丁花のditaのレビュー・感想・評価

沈丁花(1966年製作の映画)
4.0
スタア!スタア!スタア!この時代にポッキーのCMがあったら四姉妹物語はこの人たちで作られたに違いない。

沈丁花の花言葉は、栄光・勝利だそうで、女性の栄光が結婚だった時代に(まぁ今もそうなんやろうけど)ビシッと白衣を着て鈍感な男の口の中をぐりぐりする歯医者マチ子様がめちゃくちゃ素敵。と思ったら仲代に気持ちを伝える時の可愛さといったらないし、何度も書くけどマチ子様の魅力は女が女であることの強みをここぞという時に包み隠さず見せるところだと思っていて、自分をどう魅せればよいかを知っているからこそ出せる色気が本当にたまらない。他の三人も三者三様で可愛かったなぁ(急に雑になる感想)。

まぁでもこの映画は何より杉村春子なわけで、娘に幸せになってほしい気持ちと、娘に頼らざるをえない生活との逡巡を表情一つで見せるのが凄い。まさに大女優(今更感)。自身の母娘問題については相変わらず解決しておらず、先日の誕生日に母から来たラインに「誕生日おめでとう、お母さんは2か月前に骨折しました」という報告があり、何で今さら言うてくるねん…自分そういうとこやでと朝から暗い気持ちになったりしたけれど、自分の中で固く蓋をしているテーマとはいえ、これくらい陽気に描いてくれると楽しく観られてとてもよかった。でもやっぱり少し切なかったりもした。お母さんごめんなさい。

男が上とか女が下とかじゃなく、男は男、女は女、身体と性が違う人は自分が自分でいられる性、それぞれの強みと弱み、人間としての自分の適性を理解して、その瞬間にこれがいちばん自分にとって正しいという選択をすればいいんじゃないのかと思うし、それが当たり前に認められて、当たり前の権利として生きられる社会になればいい。よし、今日は前向きだ。ありがとうマチ子様、栄光と勝利を目指して明日も頑張ります。
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