チャップリン、ルノワールの助監督から出発し、やがては製作者も兼ねた自身のスタジオを創設してハリウッド体制に抗いながら、一貫して《闘う人間》を描きつづけた不屈の映画監督ロバート・アルドリッチによる西部劇。
Howard Rigsbyの小説”Sundown at Crazy Horse”を原作に、赤狩り旋風が吹き荒れる中も頑として闘い続けたハリウッドテンのリーダー的存在であるDalton Trumboが実名で脚色。
オープニング。
荒野を下手から上手へ延々と馬を飛ばす男。
その空の部分に黄色で太めのタイトルが重なる。このフォントがカッコイイ!これは手書きで作ってるのかな?
いまの映画はフォントがデジタル感むきだしで味気なさすぎる。
このアナログな感じが映画!って感じがしてカッコイイんだけどなぁ。
Rock Hudson演じる保安官のストリブリングがメキシコの道具屋で、黒ずくめの男で顎が凹んでる男を尋ねる。ここで店の男が大きな声で周りにいるメキシコ人に聞いてみる時に、スペイン語に訳してるのがいい!みんな当たり前に英語話されてもねぇ…
そして顎が凹んだ黒ずくめの男オマリーをKirk Douglasが演じる。アゴなんか凹んでたか?と、アゴを見ると確かに丸く凹んでいる。どうしたのソレ?なんで凹んでの?しかも大物のカーク・ダグラスに対して、その身体的特徴をイジっていいんだ?
オマリーが訪ねた先に、Dorothy Malone演じる三角ロケットおっぱいで佇むエロいご婦人ベル。この三角に尖ったおっぱいの持ち主はエロいと踏んでるのだが…
このベルとオマリーは昔の恋人のようだが…君が結婚したと聞いて…って、ただのストーカーやん。何年前の恋人なのよ?何年間想い続けてたのよ?なんで今さらヨリを戻そうと必死なのさ?この過去を埋めるものが…なんか昨日のことのように話してるけど…
Joseph Cotten演じるベルの旦那ジョン。
この地を捨てて一家と共にテキサスへの移住を考えていたジョンは1000頭の牛を連れて行くために人出が必要であった。それを聞いたオマリーは、牛の5分の1と嫁のベルをもらうという条件で手伝うと持ち掛ける。
笑いながらジョンはオマリーを雇う。
笑うとこなの?なんかジョンはベルを愛してる感じがしないし、ベルもジョンを愛してる感じがしない。君たちは何で一緒になったんですか?
そこへストリブリングも合流して、自分が追っていた男であるオマリーの口車に乗り牛追いの責任者に…このへんのロジックもよく理解できなかったのだが…西部劇ルールということにしとこう。
妹の旦那をオマリーに殺されて、さらにその妹は後追いで自殺して、憎んでるはずなのに一緒に牛追いしてるストリブリング。しかも、この男も三角ロケットおっぱいに一目見て惹かれた様子。
すげぇ武器だな…人妻で、なおかつ目の前に夫もいるのに、食虫植物のような甘い誘惑がその三角ロケットの先から出ているのか?
確かにドロシー・マローン綺麗だけど…
殆ど喋りもせずに好きになりすぎだろ?
オマリーはベストを脱ぎ、置き去りになった仔牛の目をベストで覆い、Carol Lynley演じるベルの娘メリッサに、撫でながら仔牛の左右の鼻に息を吹きかけろと…ベストを取り初めにメリッサを見せれば母親だと思うと…メリッサの後をついていく仔牛。
こんなやり方ほんとにあるの?
○町場の酒場
元南軍兵士だったジョンが同じ元南軍兵に、お前は逃げ出したと因縁をつけられる。そのまま背後から撃たれて死んでしまう。
一行はジョンを埋葬し、旅を続ける。
かなりサラッと素通りしていく。
旦那を亡くしたのに何ともなさそうなベル。
○野営
夜。
オマリー
「ベル…俺を見ろ。こんなに愛してるのに」
ベル
「いえ。愛してるのは16歳だった私よ。私は当時のままだと?」
オマリー
「そのままだ」
ベル
「違うわ。その娘は大昔に死んだの」
オマリー
「君を見つめると、彼女はよみがえってくる。初めて会った日から君は変わらない。100年経っても俺の目に映る君は黄色いドレスのかわいい娘だ」
え?彼女が16歳のころの話を未だに言ってんの?いま何年経ったのよ?怖いよ。ストーカー認定される案件だろ?何年前の話をしてんだ…恐ろしいよ。
ベル
「今の私で愛されたい。私は子供じゃない。身も心も大人の女なの」
おい!まだ四十九日も終わってなければ、初七日も済んでない。夫が死んだ翌日だろーが!愛してなかったとしても、それはないんじゃないか?
チェーホフの『熊』の未亡人エレーナのように、亡き夫をずっと想い続けて籠もってろとは言わないけども…いくらなんでも…それはないだろ!?
結局、三角ロケットのおっぱいの持ち主は、ふしだらでエロいことしか考えてないというように受け取られてしまいますよ!三角ロケットおっぱい協会から怒られるんちゃうの?そんな描き方したら?
○教会横
ストリブリングとベル。
ストリブリング
「奴(オマリー)とは前から知り合いか?この旅を始めるずっと前からだ」
ベル
「あなたに聞く権利はないわ」
ストリブリング
「あるさ。君と結婚したいから。それで十分だろ」
ベル
「私の意見も聞かずに?」
ストリブリング
「求婚した後だ。まず奴と決着を…それから聞く。なぜ逃げる。奴のことは忘れろ。君は俺と結婚する。俺は本気だぜ」
オマリーはオマリーで過去を引きずり過ぎてストーカーみたいで気持ち悪いけど、この保安官も出会ってまだ大した会話もしてないのに、ほぼ一目惚れ状態で結婚したいとかアホだろ?それだけ三角ロケットおっぱいが魅力的だということなんだろうけど…
私の意見も聞かず?ってもったいぶって思わせぶりな返答をするベルも意味わからないが、求婚した後と言いつつも、すぐそのあとで君は俺と結婚する!ってオイ!私の意見を聞けよ!オレのオレのオレの話を聞け〜5分だけでいい♪
いまさらながら牛の大群は圧巻!圧巻なのだが、圧巻だからこそ牛追いシーン以外のスタジオシーンとの落差がありすぎて萎えてしまう。スタジオシーンがチープすぎる。スタジオ感まんさい。
○流砂
ストリブリングが馬ごと流砂にハマり身動きが取れなくなる。
流砂?とは聞き慣れない言葉であったが、俗にいう底なし沼のこと。俗称しか知らなかったのが恥ずかしい。またひとつ勉強になりました。
オマリーが逮捕状を破いたら助けてやると交換条件を出すが、それを断るストリブリング。
一度その場から立ち去るが、すぐに戻ってきてストリブリングを助けるオマリー。
んーこれもよく分からん。オマリーは何がしたいのか?普通にイイ奴やん。これで人殺したの?目的と手段が曖昧でオマリーの第一の目的が見えにくい。
ストリブリングが流砂にハマってる隙に、ベルと娘のメリッサを連れて逃げる途中で雇われ男たち。
砂嵐か?というくらい砂埃でよく見えない。
メリッサはオマリーが助け、ベルをストリブリングが助けるのだが…
カットが変わると夜になっている。
そこへオマリーがひとりベルの馬車を探している。え?まだ見つかってないの?どれだけ離れたのよ?流砂のとこから、馬ですぐ追いついてたやん…そんな離れてないよね?
ようやく馬車を見つけると、馬車の中で、これみよがしに抱き合うベルとストリブリング。
それを見て黙って踵を返すオマリー。
え?おい!ベルよ…アナタはどっちでもいいんですか?特に理由もなく抱かれるの?
未亡人シリーズのAVみたいな変わり身の早さなんだけど…これを許されるのは、AVとVシネくらいだけだと思ってたわ。
やはり三角ロケットおっぱいは伊達じゃない。
○メキシコ国境
アメリカとの国境の手前の川沿いで最後の夜。
ダンスパーティーで盛り上がる一同。
大人しく一人座っているオマリー。
そこへ黄色のドレスを着ておめかしした16歳のメリッサが登場。
オマリーが色めき立つ。オイ!オマリー!そんな目をしたらアカンやろ!お前は一体何歳の設定なのだ?お前は高橋ジョージか?!
いや普通に気持ち悪いだろ?ベルをストリブリングに取られたからといえ娘にいくか?その魂胆が気持ち悪い。
メリッサ
「どう?」
オマリー
「ベリーマッチ!(すごくいい)」
コラッ!!
メリッサもどう?とか誘ってんじゃないよ。
○見張り番
見張りをしているオマリー。
そこへメリッサが現れる。
メリッサ
「愛してるから」
オマリー
「思い込みだ。いけないよ」
メリッサ
「なぜいけないの?一目見たときから愛してた。今の私は、あなたへの愛であふれてる」
オイ!マジかよ?!そんなことある?
オマリー
「君は若すぎる」
おぉホントにわかってるのかぁ?
メリッサ
「もっと若い娘が結婚してる。私は大人よ」
オマリー
「君には俺ではなく太陽のような若者が似合う。俺は闇だ」
メリッサ
「闇だって平気。何も怖くない。海を見て美しいことを考えられるなら、なぜ私に少しの愛も見つけられないの?」
オマリー
「ちゃんと見つけてるさ。君は愛らしさそのものだ」
メリッサ
「私を愛して…今は無理でも努力してちょうだい」
オマリー
「ずっと君を愛してた」
工エエェェェェエエ工?!ウソだろぉ?
抱き合いキスをする二人。
なんじゃこりゃー!!
○ホテルの部屋
テキサス入り。
ストリブリングとベル。
ベル
「私を愛してるなら危険なマネはやめて!私はどうなるの?」
ストリブリング
「君を本当に愛してる」
キスする二人。
左手の薬指にはまだ指輪をしてるベル。
オイ!せめて…指輪くらい外せば?
亡き夫は、もはや無きことになってるんですけど…どうなってんだ?この感覚は?
○小屋の前
ベルとオマリー。
オマリー
「俺のことを純粋に愛してる」
ベル
「わかってない」
オマリー
「本気だ。ミッシー(メリッサの愛称)は俺の一部だ。自分の命より愛してる」
ベル
「わからない?気づいてよ!あなたの娘なのよ」
あんだってぇー?!この展開には声が出るほど驚いた。なんじゃそりゃ…キスしてたがな…こ、これは問題作やなあ…
そんなオチかよ…いや、どんなオチだよ…
オマリー
「なぜこんなことを?気づかないはずがない!会ったことがなくても自分の娘だ。見ればすぐわかる…ウソだ。汚い手を使いやがって!絶対にウソだ!ウソつきめ!(ベルをはたく)」
なんじゃこりゃー!
○広場
ストリブリングとオマリー。
近づく二人。
結局、決闘は避けられない。
空の弾倉のオマリー。
それを知らずに撃つストリブリング。
終わらすには、これしかないけど…
しかし、これはなんちゅう問題作や。