オーウェン

スカイ・ハイのオーウェンのレビュー・感想・評価

スカイ・ハイ(1975年製作の映画)
4.0
この映画「スカイ・ハイ」は、「燃えよドラゴン」から2年、不世出の天才ブルース・リー(李小龍)を擁して、文字通り、香港映画界のみならず、世界を席巻したゴールデン・ハーベスト社の大製作者レイモンド・チョウが、ブルース・リー亡き後、ポスト・クンフーの意気に燃えて、空前絶後のスーパー・アクション映画を作ろうとオーストラリアとの合作で製作した作品です。

主演は「片腕ドラゴン」等の香港映画界のスーパースターのジミー・ウォングと敵役として、2代目ジェームス・ボンドのジョージ・レーゼンビー、共演者として、亡きブルース・リーの盟友だったサモ・ハン・キンポーという、クンフー映画ファンなら期待出来る顔ぶれの映画です。

香港警察のファン・シン・レン刑事(ジミー・ウォング)は、オーストラリアで逮捕された麻薬密売人チャンの口を割らせました。その麻薬シンジケートのボスの名はウィルトン(ジョージ・レーゼンビー)。

このウィルトンは、シドニーで暗黒街の帝王と呼ばれ、麻薬、売春ルートを一手に握る大物で、例え警察でさえ、彼の牙城へ踏み込む事は出来ませんでした。
ファン刑事はウィルトンの手下の襲撃をかわしながら、ウィルトンの牙城への攻撃の秘策を練っていました。

そのファン刑事の秘策とは、奇想天外にもハングライダーに乗って大空を浮遊し、目指すウィルトンの高層ビルに向かっていくというものでした。

アクション映画も色々な趣向を凝らしたものがありますが、この映画の最大の見どころは、宙を舞う新兵器ハングライダーの登場です。
そして、陸、海、空で展開するジミー・ウォングとジョージ・レーゼンビーの華麗なる対決は、全てスタントマンなしで頑張っています。

とりわけ、ジミー・ウォングは、持ち前の役者根性から数多くの危険なシーンを、自ら進んで、それこそ命がけで演じ切っていて、やはり、アクション映画は、俳優が自ら体を張った体当たりの演技をしてくれる事で、生の凄さが我々観る者に伝わり、感動させてくれるのです。

そして、この映画で何と言っても印象的なのは、映画のオープニングと共に、香港の街をバックに流れる、プロレスラーのミル・マスカラスのテーマ曲としても有名になった、胸躍らせるハイテンションの美しいメロディが素敵な、ジグソーの大ヒット曲「スカイ・ハイ」です。
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