ジョニマ

十二人の怒れる男のジョニマのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.5
古典的名作だから、本当は何も言うこともないのだけど。
現代の視点から見ると、陪審員全員が白人の中年および老年の男性で、黒人も黄色人種も女性もいないことに時代を感じる。
もちろんそれがこの作品の価値を貶めるものでは全くないのだけどけれど。
撮影された場面はすべて陪審員室とその付属のトイレだけ。殺人が起きたアパートも裁判所も全く、回想としても現れない。予算があったか無かったかではなく、これだけシンプルな作りにしても面白い映画は作れるんだという、制作側のしてやったりという顔が浮かんでくるような快作だ。
アメリカ映画を観るといつも感じるのは、その荒れ果てた社会と、それでもその中に最良のものが育って行くという光と影の両面なんだよね。その素晴らしい方の側面がこの映画にも現れている。
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