マツモトタクシー

ある脅迫のマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

ある脅迫(1960年製作の映画)
3.9
藏原惟繕監督作品



北陸銀行直江津支店次長の滝田恭介(金子信雄)は本店の業務部長に栄転することになった
妻が頭取の娘であり将来の役員の椅子も保証されている

滝田と幼馴染みで同じ銀行に勤める庶務課の中池又吉(西村晃)は滝田とは正反対で要領が悪くお人好しで平社員

滝田の妻は元はといえば中池の恋人だったがそれを滝田が奪う形で出世していったのだった

滝田は愛人を養う為に銀行の金を不正に流用していた
その事を嗅ぎ付けたヤクザな男、熊木伸二(草薙幸二郎)から300万円を支払うよう脅迫を受ける
とても払えないという滝田に「金なら銀行にあじゃねえか」と熊木は滝田に拳銃を手渡すのだった
期限は明日の朝6時で金が出来なければ警察と会社へ全てを訴えると脅され追いつめられる滝田
中池が宿直だということを知り飲み屋に連れ出し酔い潰れさせてその間に銀行に押し入り金を盗み出す計画を立てるのだったが。。





以下ネタバレ



ストーリーが二転三転していき予想外の展開へ
最後の列車のシーンでもハラハラする仕掛け
65分しかないのに色々な要素をきちんと落とし込んだ見事な脚本


結局、忍び込んだ自身の銀行で中池に正体がバレてしまう滝田
咄嗟に銀行強盗の真似事をして銀行の防犯対策の不備を指摘したかったと言い訳をし立ち去る

金を強奪する事に失敗した滝田は熊木に1週間待ってくれと懇願するが熊木は取り合わない
しかし不意に熊木は崖から転落し亡くなり滝田の不正の証拠は握り潰せた

不安の種が無くなった滝田は次の日に意気揚々と栄転に向けて最後の挨拶をする
昨日の銀行強盗の真似事を少々荒っぽいが注意喚起を促すためだといい中池に恥をかかせて幕引きを図った

しかしヤクザに情報を売っていたのは中池だった
中池の復讐が始まり立場が逆転するのであった。。


金子信雄、西村晃のW主演といっていい作品
後に仁義なきで有名になる金子さん、3代目黄門様を演じた西村さん
お2人の主演物があったなんて😮
隠れたクライム・サスペンスの佳作☺️