ろく

木村家の人びとのろくのレビュー・感想・評価

木村家の人びと(1988年製作の映画)
3.7
「あなたの本当のお父さんはたこ八郎なの」

一色伸幸脚本の映画を見ようシリーズ。今回は一色・滝田というゴールデンコンビ。「熱帯楽園倶楽部」や「僕らみんな生きている」「病院へ行こう」の流れ。一色の脚本だから当然昭和感まる出しだし杜撰なとこも多いんだけど好きか嫌いかって言われると好きで困る。

改めて見るとこのころの桃井かおりは演技をしていた。今はすっかり「あたしは誰でもない。桃井なの」演技だけど、この作品ではしっかり子供思いの母親を熱演(エロテレフォンセックスもするけど)。鹿賀との濡れ場までサービスです。

そして後半の盛り上がり方がまさに滝田。滝田の映画って結構映画の文脈をしっかり踏襲するんだ。前半くすくす中盤わたわた終盤すかっと。ああ、これは映画観たなぁと、たとえその「すかっと」が自転車でのロードレースでもいいじゃないか。これは日本独自のガラパゴス映画だと思う。まあこのころ映画を見てない人にとってはだるい展開だろうけど僕は気にしないぜ。

子役のふたりは今も健在。すっかり二人ともおっさん、おばさんになってしまった(岩崎ひろみと伊崎充則)。岩崎はいかにも子役なんだけど僕は好きだ。これくらい堂々と演技されるとくすっと笑ってしまう。

当時映画を見てさっそくやったこと。「学級文庫」を口を広げて言うと……。ああ、こんなネタでばかやる滝田が好きだ。
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