北斗星

トリコロール/赤の愛の北斗星のレビュー・感想・評価

トリコロール/赤の愛(1994年製作の映画)
4.5

老人と若者のこころの交流は映画の永遠のテーマ。


はじめは頑固で偏屈だった老判事が若い大学性と知り合ってから、その硬いこころがほぐされてゆく。

彼女は真っ直ぐでとても素直。親切でもある。そして若さ特有のしなやかさも持っている。

監督がこの女優に愛情を持って接しているのが画面から痛いほど伝わってきた。女優の瑞々しさを存分に引き出している。
ふと、老人と監督の視線が同じだと気づく…。


夕日が部屋に差し込んでくるシーン。
「じっとして。今、光が美しいのだ」
老判事に云わせた台詞。
この表現はさすが映画監督の発想だなと膝を打つ。


老判事は彼女の正義感がホンモノだと気づいた。余りにもこころがキレイなので眩しくなり、自分のしていた事を恥じ罰を受ける。


嵐が来て突然雨が降る。山や空の自然が美しい。


彼がこころを閉ざしていた原因。
偶然、老判事の昔の恋人も彼女と同じ大学出身だった。
この劇場のシーン。
赤一色。
ふたりの会話。すごく素敵。


船沈没のニュースを老判事が見ている。彼女が助かったことを知って、彼の目に輝きが戻る。

彼にとって彼女の存在は【太陽】や【希望】そのものになったのだ。
北斗星

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