ひらり

道のひらりのレビュー・感想・評価

(1954年製作の映画)
5.0
やっと観ることが出来た。
音楽だけは何度も耳にしており、トランペットの音色が素敵で旋律が美しい音楽という印象。
作品を観てから音楽を聴いてしまうと切なくて切なくて、ジェルソミーナの表情が浮かびあがってくる。
素晴らしい音楽だな♪🎺

ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)の表情がたまらない。
悲しい時は本当に悲しく、観る側が悲しくなり一緒に傷つくくらいの表情。
イル・マットにトランペット教えてもらい吹いてる時の楽しい嬉しい表情からは、私まで嬉しい。
眼で全身から伝わる感情表現が素晴らしい。

姉のローザの死
ジェルソミーナと同じような扱いをされて同じように死んでしまったのか?
姉妹、同じような道を歩んだのか…
共にザンパノ出会わなかったら違う道を歩めたはずなのに。
ザンパノにお金で買われたからとはいえ、忠実過ぎる。

ザンパノには心がないのかと思うほど
野蛮で獣。ジェルソミーナあなたの付属物ではない!腹立たしい!
それに比べてイル・マットが優しくジェルソミーナに接し、発する言葉が美しいこと。
”この世の全てが役に立つ”この石だって何かの役に立つ”
”きっと そうだ 君だって役に立つ”
存在価値を気づかせる
素敵な言葉をジェルソミーナにありがとう🤍 ずっと心に残る言葉になったに違いない。

鋼の肺を持った男、ザンパノがラストにあんな表情を見せるとは。
大切な存在に気がつき、失った悲しみ、深く傷ついた様だが時は遅し。永遠の別れ。
取り返すことが出来ない。
深い深い喪失感がラストの暗闇の海辺からも伝わってくる。

観るタイミングで感じかたが違うだろう。分からなかったこと分かるかも。
もう少し歳を重ねてから改めて見直したい作品✨
ひらり

ひらり