【妾も身内・・・昔はよかったなあ(笑)】
1952年のモノクロ邦画。
西陣織で著名だった京都の老舗も、戦後世代の着物離れには勝てず、業績は悪化する一方。金策に行きづまった社長は自殺してしまう。
残された妻(東山千栄子)と娘三姉妹(三浦光子、宮城野由美子、津村悠子)、そして番頭(宇野重吉)、さらには社長の妾だった元芸妓(田中絹代)がその後始末に追われるという筋書き。
妾まで堂々と(?)こうした作業に加わっているところが、時代性を感じさせる。
「斜陽」或いは「桜の園」の系譜に連なる映画だが、5人の女優陣がそれぞれに好演している。特に次女役の宮城野由美子と妾役の田中絹代の健闘が見もの。
女優を中心にした映画として、佳作と呼べる出来だと思う。まあ、私は美人女優が何人も出てくる映画は、基本的に高評価ですけどね(笑)。