愛鳥家ハチ

虹の女神 Rainbow Songの愛鳥家ハチのレビュー・感想・評価

虹の女神 Rainbow Song(2006年製作の映画)
4.5
『ニライカナイからの手紙』の熊澤尚人監督作品。市原隼人演ずる青年の柔弱ぶりにひたすらやきもきする物語。プロデューサーに岩井俊二監督が参画し、更に脚本にも"網野酸"名義で岩井監督が加わっています。なによりホルストのクラシック曲"Jupiter"が作品全体を優しく包み込んでくれているようで、名曲を巧みに織り込む演出の見事さにはただただ悶絶するしかありませんでした。

ーー独特の雰囲気
 『虹の女神』は個人的には特別な作品で、本作を観て初めて味わった不思議な感覚といいますか、尾を引く物悲しさとフワフワとした雰囲気が今でも心に残っています。こうした気持ちを抱かせるのは、もちろん熊澤監督や俳優の方々の手腕によるものだとは思います。しかし、後年、本作に岩井俊二監督が関わっていたと知り、"雰囲気のある映像"に関してはやはり岩井監督に行き着くのだなぁと思わされた次第です。本作もまた"エモーショナル映像の帝王"である岩井監督の系譜に連なる作品なのだといえましょう。

ーー総評
 本作は、周囲の人や身近な出来事に一層目を向け意識を向けることの大切さを教えてくれる映画でした。市原隼人さん、上野樹里さん、蒼井優さんのファンの方は特に必見の作品だといえます。
愛鳥家ハチ

愛鳥家ハチ