ゴン吉

現代やくざ 血桜三兄弟のゴン吉のレビュー・感想・評価

現代やくざ 血桜三兄弟(1971年製作の映画)
3.9
菅原文太出演の任侠ドラマ「現代やくざ」シリーズの第4弾。
伊吹吾郎、渡瀬恒彦、荒木一郎、小池朝雄らが共演。 

広域暴力団の大阪誠心会の組員・川島譲次(小池朝雄)が岐阜にやってきて、地元の広道会に言いがかりをつけて挑発する。広道会の下っ端組員の小田邦夫(伊吹吾郎)と谷村宏(渡瀬恒彦)、そして堅気のバーテンダーの信男(荒木一郎)と小田武(菅原文太)らは、小池に自分の女を寝取られたり、賭場を荒されたうえ、さらには彼の策略にはまり競馬で8000万円の借金を背負ってしまう。彼らは親分に誠心会との戦争を申し出るが、親分から諫められたうえに逆に捨て駒にされてしまう。三人は逆上して親分に反旗を翻す…  

菅原文太の任侠ドラマシリーズでありながら、本人は実質脇役で、組織の中で不条理な立場におかれた下っ端組員たちのもがきを描いた作品です。
また大きな組織に憧れる冴えない青年も描かれている。
巨大勢力の大阪誠心会の策略により、主人公たちが自分の親分に対して殴り込みをかけることになり、自ら組を崩壊させるというストーリー展開で、主人公たちが本来の敵に踊らされたピエロのようで滑稽で哀れです。
理不尽で救われない何とも不思議な作品ですが、それが任侠の世界なのかもしれませんね。

2023.10 BS12で鑑賞
ゴン吉

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