ぞら

ファミリービジネスのぞらのネタバレレビュー・内容・結末

ファミリービジネス(1989年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます


泥棒一家というかっこいい響きとは裏腹に盗みシーンがぬるっとしていて驚いた
ワイスピとか観すぎたせいか、泥棒ものでこれだけ手際が悪いの久々www
あくまでも等身大のヒューマンドラマという設定がブレていないのがいい


正直自ら望んで泥棒をやるという時点で登場人物達に嫌悪感

大切にされているのに、それを自分が人として認めてもらえてないと思う息子(強盗計画を立てる張本人)
小さい頃から泥棒として育てられたために、息子にだけは真っ当に生きてほしいと願う父(絶賛脱税中で裕福な暮らし)
ずっと泥棒として刑務所を出たり入ったりと周りに迷惑かけてばかりだが、粋と人柄で人望がある祖父(孫に好かれている)

息子が強盗の計画に乗ったのは自分が頭が良く祖父に憧れてスリルを味わいたいからでなく、父に認めて欲しいから(長いこと泥棒してきた人生を否定して息子の為にしたくない仕事をしてきた。ということは父の本質は泥棒仕事にある←これを成功させれば宝物でなく1人の人間として扱ってくれるのでは?と考えた)というのは良かったと思う
が、自分のことを棚に上げて祖父を警察に売ったと父を責めるなんておかしい
ずっと息子にイライラしっ放し

父がやりたくない仕事をやってきたお陰でここまで育ったくせに、いうことだけは一丁前なのか
確かに祖父は息子のことを1人の人間として接し、楽しいことも教えたんだろうが、
それは育てる責任が伴っていないからだ
何かやらかしては刑務所に入ってる男にできることなんて、説教なんかより陽気に孫に好かれるよう接したが楽だろう

泥棒が仕事と考えてる時点でまともじゃない
むしろそういうことをしてるのに普段人と接すれば楽しいから案外憎めない奴だなと考えるお人好し達の心を利用しているようにも思える
祖父はいい人なんかじゃない
どうしようもないやつだ

母だって父や祖父を売ったと同じなのに、息子は母親はどうだっていいわけ?
なんで父だけそんなに責められねばならんのか?
父が毎度先に謝る所が納得いかない
せめて最後くらいは息子から謝らせて欲しかった

家族全員どうしようもない

ならぬことはならぬ…だ❗️



しかし、その家族が1つになれたのが泥棒計画だった
それが無かったとしたら…?
本当にわかり合うことはできなかっただろう

冒頭シーンの粉がラストの祖父の遺灰に繋がるのは美しい!
これだけ色々感情が動いてしまった時点で高評価ポイントだと思う
が、泥棒行為自体が受け付けないのでマイナス
ぞら

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