高円寺

ふたりの高円寺のレビュー・感想・評価

ふたり(1991年製作の映画)
4.6
人は、誰かを見るとき、ほかの誰かと重ねたり比べたりする。その人のことをありのまま見ることは難しい。それは、自分自身にも当てはまる。人は自分のことも誰かと比べたり重ねたりするので、ありのままの自分を見失う。人生の機微の多くはそのような比較から生じる。
大林宣彦の作品に「分身」のモチーフがつきまとうのは、人が別の誰かの代わりであることと、同時に、人は決して別の誰かにはなれないということの喜びと悲しみを映そうとしているからだ。この作品は一人の少女の成長譚と混じり合って、「分身」というモチーフが大林のフィルモグラフィーの中でも最も鮮明な形で現れている作品だと思う。音楽がよく、石田ひかりの全てがキュートなのもいい。
関係ないけど尾道ってこんなに雨降るんですか?
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