Fitzcarraldo

ミッドナイトクロスのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)
3.5
Brian De Palma脚本・監督作品。

タランティーノに狂っていた10代の頃、タラちゃんがオススメしている作品を血眼になって追っかけていた中の1つ。

その当時は大好きだったはずなのだが、私も年輪を重ねてしまい、久しぶりに見たら割と思うところもある。

先ず、初めて見たかのような、全く展開を覚えてない健忘症な自分に驚く。何も覚えてなかった。ある意味、新鮮に見れたから良かったのだが…

後半の展開が引っかかる。

売れっ子ニュースキャスターのフランク・ドナヒューの誘いに乗り、フィルムのネガと録音テープをシンクロさせたものを渡すと約束するJohn Travolta演じるジャック・テリー。

これをテレビで暴露すると…。

この電話を盗聴していたJohn Lithgow演じる殺し屋バーク。ジャックの電話を話し中に細工して、Nancy Allen演じるサリーの家へフランク・ドナヒューと偽って電話をかけるバーク。サリーを呼び出す。

ここで、サリーは騙されて待ち合わせ場所に向かうと思ったら…なんということでしょう⁈ジャックの家に普通に到着しました!フランク・ドナヒューにはサリーの連絡先を教えてないのに、なぜ直接かけたんだ?オレを通さないで?そこまで気付いてるのに、なぜかサリーに隠しマイクを仕込んで普通に待ち合わせ場所に行かせるジャック…

嘘でしょ?
なんで?そりゃ昔に隠しマイクを仕込んだ同僚が冷や汗かいて、電源がショートしてお腹が焼けて、隠しマイクを外すためにトイレに駆け込んだら、正体がバレて殺されたけど…そのリベンジでやってるの?としか思えない。

フランク・ドナヒューにはジャックは一度会ってるし、私の所に連絡が来たわよ!ってサリーが家に来てくれたなら、じゃぁ一緒に行こう!…ってジャックは言うのが普通なんじゃないすか?デパルマさん。

それを隠しマイク仕込んで、怪しかったら渡すな!いや…一緒に行こうよ。

近くにいる!ってジャックは言いながら、車で音声聞いてるし…そこにいたら、意味ないんじゃないか⁈

音声だけを頼りに追っかけていく!というのは、おもしろいんだけどなぁ…

ここの展開が改善されれば…


サリーの本物の悲鳴を、おっぱい目当てのキャスティングの為に超大根芝居だった女優の吹き替えに使うオチは素晴らしい。
オチだけキレイにハマり過ぎてる。

ジャックが自分が録音したものを、モーテルで聴き返すシーンも素晴らしい。音を聴きながら指向性マイクの代わりに鉛筆を持って、思い出しながら音のする方へ鉛筆を向ける。この仕草と編集がカッコイイ。

本作を見れば音響効果という仕事は誰でも理解できるだろう…あんなアナログな編集のやり方はもう誰もやってないだろうけど…
Fitzcarraldo

Fitzcarraldo