サマータイムブルース

ミッドナイトクロスのサマータイムブルースのレビュー・感想・評価

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)
4.0
コレLD持ってます
ただ、再生するハードがとっくにないので、今回DVDレンタルにて久々の鑑賞となりました
うーん、やっぱ良い!!

序盤からデ・パルマ節炸裂してました
スプリット・スクリーン、殺人鬼目線のワンカット長回し、俯瞰ショット、スローモーション、などなどギミック満載
極め付きは部屋の中央の定点カメラをぐるぐる回して部屋を撮るシーン、危うく酔いそうになりました

冒頭、女子大の寮内を殺人鬼が外からカメラ目線で追って行きます
シャワー中の女子大生に、シャワーカーテンをガバッと開けてナイフを振りかざします
女子大生「きゃわわゎゎ・・・」
こっ、これはっ!!「サイコ」のオマージュか?
ところがそれは撮影済みのB級映画のひとコマで、スタッフがチェックしているところでした
「ひどい悲鳴だな」
「あの娘はおっぱいで選んだので・・・」

ジャック(ジョン・トラボルタさん)はB級映画の音響担当技師です
ある夜、溪谷に映画用の“風の音”を録りに行くとクルマが川に転落する事故を目撃します
慌てて川に飛び込んでサリー(ナンシー・アレンさん)という若い女性を助け出しますが、もう1人の男性は死んでしまいました
死んだ男性は次期大統領候補のマクライアン知事でした
録音した音を何度も聞き返すジャック
そして、事故の直前銃声が聞こえたのを突き止めます
コレはただの事故ではない!!ジャックは疑念を抱き、やがて巨大な陰謀に巻き込まれて行くのでした

この映画の主役は“音”です
とても効果的に使われていました

この作品はタランティーノ監督も気に入っていて、コレを見てトラボルタさんに「パルプフィクション」のオファーを出したそうです

ナンシー・アレンさんは当時デ・パルマ監督と交際中で、撮影期間中に結婚しています(その後離婚してます)
この頃彼女は出演作目白押しで、絶頂期だった印象です
彼女の声が可愛くて好き

殺人鬼役のジョン・リスゴーさんがずっと不気味でした
この後「レイジング・ケイン」でも似たような役やってて、いい味出してるんだよなあ

あと、関係ないけど、テレビのニュースキャスター女子がダイアナカットで、おおーー!!とテンション上がりました

終盤、フィラデルフィアで行なわれた「自由の日」祝賀行事で花火のシーンが悲劇的で美しい
こんな終わり方ってあり!?なぜこの終わり方!?
それは冒頭の「サイコ」シーンと繋がってるんですねー
こんな終わり方だったからこそ、ずっと印象に残っているのかも知れません

やっぱデ・パルマ監督良いわー、と再認識しました