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オルランドのmamのネタバレレビュー・内容・結末

オルランド(1992年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

原作:ヴァージニア・ウルフ(現代設定は監督のアレンジ)

テューダー朝から現代まで400年の時を超え、不老不死となった貴公子オルランドが不思議なことに女性へと変身し、性別や過去からも解き放たれありのままの自分を手に入れるまでを、何世紀にも渡り旅をする壮大なストーリー。

エリザベス一世から若さを保ち続ける代わりに賜ったお城は、戦争のショックで昏睡し女性になった事により没収となってしまうの、時代だな。
その後も男にとって都合のよい結婚は良しとせず、けれど惹かれた男性とは自ら望んで結ばれるし、子供も一人で産む決意をする。男の庇護下に置かれず、自分らしくあるために。
現代になり娘とともにかつてのお城に飾られた自身の肖像画を見つめるの、感慨深い。

性別など必要ないかのような存在感で魅了するティルダ・スウィントン。時代ごとに目まぐるしく変身する豪華な衣装はため息もので、1750年社交界でのマリー・アントワネットのような麗しいお姿といったら...。

ラストの"幸せなの"と一粒の涙を流し、歌う天使(元ブロンスキ・ビートのジミー・ソマーヴィル)を見つめる眼差しにとてもジンとくる...。

" 私はもう女でもなく男でもない
顔は人間で一人に溶け合った "

2024-182
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