Yukiko

ソウル・フードのYukikoのレビュー・感想・評価

ソウル・フード(1997年製作の映画)
3.8
2020年5月21日
『ソウル・フード』  1997年制作
監督、ジョージ・ティルマン・Jr。
この監督さんの『ヘイト・ユー・ギブ』を観たことがある。
なかなか良かった。

ビッグ・ママ(イルマ・P・ホール): 母、糖尿病
    日曜ディナーを開く。
テリー(ヴァネッサ・L・ウィリアムス): 長女、弁護士
  夫マイルスも弁護士だが、本業よりも音楽が好き。
マキシーン(ヴィヴィカ・A・フォックス): 次女、
  家庭的、料理好き。
  夫ケニー、息子アマッド。
バード(ニア・ロング): 三女、美容院を経営。
  夫レムは前科があり、今は失業中。

ビッグ・ママが開く日曜ディナーに皆が集まり、そこで
食事をしながら皆でいろいろ話す。
トラブルがあればビッグ・ママが解決。
ところが、ビッグ・ママは糖尿病が悪化し、足を切断。
その手術の際に脳卒中で意識不明に!
皆の心はバラバラになっていく・・・


ソウル・フードとは アメリカ合衆国南部で奴隷制を通して  
生まれた、アフリカ系アメリカ人の伝統料理の総称。
家族と共同体と歴史をつなぐ絆としてのソウルフード、
アフリカ系アメリカ人の食文化の新しくポジティブな
イメージを提示したことで、この映画は意味があるようだ。

母手作りの伝統料理。
それらを、家族が集まって食べながら話すことに意味
があり、家族の和を維持するという、そういう映画。

アフリカ系アメリカ人の奴隷料理から発した食文化と
言うものがあったことを初めて知った。
その料理をたどることで、奴隷制度とその後の歴史を
学ぶことにもなるんだね。
何故、そういう料理なのか?と考えると、それには
それなりの訳がある、という。


::::::::::::::::::::::::::::

<ソウルフード>  Wikipediaより抜粋
ソウルフードの歴史はアメリカ合衆国の奴隷制の時代に
さかのぼる。
・そのルーツはアメリカ合衆国や奴隷制の歴史よりも古く、
 アフリカ大陸にまでたどることができる。
・アフリカ人の奴隷とその子孫は、手に入る食料で生き延びる
 ことを余儀なくされた。
・アフリカで食べていた野菜の代わりに、大農園で奴隷に
 与えられたタンポポやビーツの葉を用いた。
・多くの奴隷は野生動物を捕らえて足りない動物性蛋白質を
 補った。
・家畜の内臓や青菜は、今でもソウルフードの代表的な食材と
 なっている。
・残った魚の身はほぐして鶏卵、コーンミール(トウモロコシ
 粉)または小麦粉、調味料と混ぜて衣をつければコロッケ。
・古くなって固くなったパンはブレッドプディングになった。
・野菜の煮汁はポットリッカーと呼んでソースとして食べたり
 そのまま飲んだりした。
・屠畜の副産物を無駄にしないため、調理油としてラードや
 ヘットがよく用いられた。
・香辛料をより多く用いて辛めの味付けにする傾向にある。
・農村部に居住し、経済的にあまり余裕がなく、かつ厳しい
 肉体労働に従事せざるをえなかった人々の料理として発達
 したソウルフードは素朴でボリュームのある料理が多く、
 豚肉とその副産物がよく用いられてきた。
・揚げ物にはコレステロールを多く含むラードやトランス
 脂肪酸の多いショートニングがよく用いられる。

多くの奴隷州では奴隷が読み書きを習うことは違法で
あったため、ソウルフードのレシピや料理法はしばしば
口承で伝承された。

アフリカ系アメリカ人の家庭では、祝日に料理を皆で分かち
合う大切さが重んじられてきた。
このため、アフリカ系アメリカ人の料理の本にはしばしば家族
の大切さと家族が集まる場のための料理という共通のテーマ
が登場する。

世界初のソウルフードの料理本は1881年に発行された
アビー・フィッシャーによる『フィッシャー夫人が昔の南部
料理について知っていること』である。
Yukiko

Yukiko