キモサベ

アバウト・シュミットのキモサベのレビュー・感想・評価

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)
3.3
こりゃぁ“盆と正月”どころじゃござんせん
定年、妻の死、愛娘の結婚・・・“トリプルパンチ”だっ!
男(主人公)にとって、人生最大の波が一度に襲ってきました

映画は淡々と“独りぼっち”の男(ジャック・ニコルソン)を描いていくのですが、そこで感じました
これ、過信と否定の構図・・・この男が『どう見られていたか?』気づかせる映画だったと
・オレは稼ぎもあるいい亭主だ・・・が、妻はどう思っていたのか?
・オレは娘を愛する良き父親はだ・・・が、娘はどう思っていたのか?
・オレは何でもわかりあえる親友だ・・・が、友人はどう思っていたのか?
・オレは会社になくてはならない存在だ・・・が、会社はどう思っていたのか?
・・・等々です

ですからこの年(65歳)になって、これらを“突き付けられた”男にとっては、全否定?・・・相当残酷な映画なんじゃないかと
でも、きっと最後は“気づき”~“再生”~“救い”へと、よくあるパターンの
物語に落ち着くんだな・・・と、タカをくくっていたんですよ
実に意外なドラマでした

ただ、ラストには救いと暗示が込められていました
結局彼は施しを与えている養子のンドゥグの住むタンザニアへ行くのだな・・・と

【追伸】
アレクサンダー・ペイン監督の「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 」(2013年)が、あまりにも“心に染みる”作品(アカデミー賞作品、監督他多数ノミネート)でしたので、過去作検索、続けての鑑賞となりました(2024年5月 記)
キモサベ

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