芹沢由紀子

楢山節考の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

楢山節考(1983年製作の映画)
4.4
緒方拳の映画で今のところハズレがないので、これも最高だった。リメイクらしいので、古いほうも見てみたい。
人間の生命力の強さ、農村に生きることの過酷さ、リアリティーを追求した作品でとても好きです。
岩手のデンデラ野の姥捨て伝説が気になって現地まで見に行ったけど、やはりおばあさんたちは捨てられた後も、山中でたくましく生き残り、昼間は里に下りて家族の農作業を手伝ったとか、映画や昔話ほど残酷ではなかったからほっとしたのだけど、やはり映画みたいな崖から突き落とす系の地方も存在したのかな。

現在は少子超超高齢社会だから、ますます「老人いらない、はよ死んで」思想が拍車をかけて蔓延していく気がしてるので、日本はどうなっていくんだろうとか考えてしまった。まあ、どうでもいいけど

若い時の拳さんはセクシーだし、あき竹城もかわいいし、左とん平は本当に臭そうだった。そんな匂い立つような映画が今は作れる人がいない気がする。まだ生きてるであろう婆さんの残した遺品を家族で奪い合うシーンとか最高で、婆さんの雪山で悟りを開くシーンとかが仏教的でかっこいい。
芹沢由紀子

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