どろがめ

タクシードライバーのどろがめのレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.8
主人公のトラヴィス、行動原理や内面では理解できる点が多かった。
まずコミュニケーションが下手で、稼ぎもあまり良くない。自分の人生はこんなもので良いのだろうか?と鬱屈した思いを抱く点はよくわかる。いわゆる陰キャ、非リア充側に属する人間は誰しも同じ思いを抱えて生きているのではないのだろうか。
また絶妙に中二病くさいのも良い。銃をかっこよくしまい、鏡の前で決め台詞、そして決起直前に気合いのモヒカン。ボンクラ男子が大好きな要素がよくわかってらっしゃる。
そして、ラスト。本来なら大統領を暗殺して犯罪者となるところだが、失敗して矛先を売春のブローカーに向けたことで英雄となってしまう。殺人という行為は同じなのに真逆の結果になってしまった点が興味深い。正義と悪の価値観なんて脆いものだという事か…