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狐の呉れた赤ん坊のqqfowlのレビュー・感想・評価

狐の呉れた赤ん坊(1945年製作の映画)
3.5
主人公の寅八は、大井川の川越し人足をしている、酒とバクチとケンカが好きな独り者。ある日街道沿いに化け狐が出るというので退治に向かうが、赤ん坊を拾ってきて…

人情時代劇。1945年11月公開。そんな時期によく作ったなあ。今見ると映像はボロボロで目がチカチカするし、主人公の東京弁はびっくりするほど聞き取りづらかった。前半ちょっと挫折しそうだったけど後半結構面白くなって、最後の、質屋のオヤジの乱暴すぎるお説教が最高だった。


~ネタバレ~


最初は狐が化けた赤ん坊かと疑って、みんなで見張っていたけど、何日たっても狐に戻らないので、これは人間だということになり、結局寅八が面倒を見ることになる。最初は仕方なくだったが、だんだん情が移って、子どものために酒をやめたり、いい父親に成長する。ところがその子、善太※が7歳になった頃、大名のご落胤と分かりお城から迎えが来る。誰がなんといっても善太を絶対に手放さないと頑張っていた寅八だったが、質屋のオヤジに諭されて、最後は自分が善太を担いで大井川を渡るのでした。おわり

※善太役で当時5歳の津川雅彦さんが出演している。


主人公の寅八は読み書きもできない当時の肉体派。こういうキャラクターが切々と子どもへの愛情を訴えるのはお約束といえばそうかもしれないんだけど、やっぱりジーンとしてしまう。昔の人もそういうのをよく分かって脚本書いてたのかなと思った。


冒頭で、川越人足と馬方は、馬方のほうが服を着ているから上等だみたいな謎のやりとりがあって、時代を感じた。
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