「ゴジラ-1.0」のヒットメーカー山崎貴が、若き日に手がけたSFアクション大作。
元ネタの映画群そのまんまのカットやら設定が多すぎてビックリしてしまうが、とはいえ日本製アクションでこの仕上がりとスケール感にとどいたものは少ないだろうし、山崎さんはこれとデビュー作「ジュブナイル」はホントにすごかったんだよ!と擁護する声がたくさんあるというのも分かる。主題歌がレニー・クラヴィッツというのも景気がいい。
まあ雰囲気はテレビのトレンディドラマ(もう死語か?)みたいだし、上映時間116分のうちにたっぷりサービスしてくれてるけどそのぶん「危機一髪からの大逆転!」パターンが連続してくどくはある。
ヒロインのいわゆる「オレっ娘」「ボクっ娘」な感じ全開の設定も、いくら演じるのが欧米の血はいってるクウォーター美少女の鈴木杏だからってキツいかなと思ったし…。とはいえこっちは混血美少女タレントに抵抗できないタイプの映画ファンだけどなー!オレは鈴木杏のぷっくりした頬と唇に抵抗するのをやめるぞジョジョー!
山崎監督は「Always 三丁目の夕日」シリーズで当てちゃって以降はベッタベタな泣かせ演出と大袈裟演技でヒットをもぎとる金満監督というのが世評のイメージだが、本作の時期に何を思ったのは知りたいところだ。
本人なりに全力でメジャーを目指しただろう映画で興行収入12億、というのはけっこう厳しかったのではないか。同時期の「トリック 劇場版」もそれくらいだけど本作の方がずっとお金かかってそうだし、そもそも気取ってなかった山崎氏なのにいよいよなりふり構っていられないぞ、との考えがあったりしたのだろうか。