ベビーパウダー山崎

イン・ザ・スープのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

イン・ザ・スープ(1992年製作の映画)
3.5
表現(映画)への情熱の話というより、男と男の奇妙な結びつきの映画で、当然のように『ミニー&モスコウィッツ』を引きずるようなシーモア・カッセルの「自由」な動きは生き方とイコールで、その「愛」に振り回される若きブシュミのイマイチ騒ぎきれない佇まいも抜群で、この映画から「ジョー」という名前を勝手に頂いたオダギリジョーの勘違いした図々しさも勿論最高。
身近な関係性と夢のような夢、唐突な出会いから物語は目的に向かっているようで曲がりくねり、寄り道が膨れ上がっていく。到達できない、そのぶつ切りにこそ「映画」があり、エンド後の、その先の想像と創造。特別出演もしているが、ジャームッシュ的なインディーズムービーの基本。ラスト、ベタだからこそ泣けるよね。