イワシ

無法松の一生のイワシのレビュー・感想・評価

無法松の一生(1965年製作の映画)
4.6
勝新太郎のクロースアップで光る瞳の美しさ、切り返される宮口精二の表情の素晴らしさ、銀杏の黄色の艶、器いっぱいの饂飩、ボンボンの成長に従ってシーン毎の時間経過は早くなり、有馬稲子の何気ないボンボン呼びの禁止に胸締め付けられ、水を吹きかけれて輝きを放つ祇園太鼓を打つ背中に惚れ、全身を覆い尽くす雪に絶望し、ラストで泣く。

稲垣浩の43年版を観ているので結末を既に知っているだけに、敏雄役が二宮秀樹から大塚和彦に交代してからの勝新太郎への態度の変化と時間経過の省略っぷりに余計に胸が締めつけられる思い。2回目以降が物哀しくなる話だ。
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