貴族の館にパーティで集った方々がなぜか館から出られなくなる。集団監禁かっ、ケッ、カーン、キン!
簡単に脱出できるけど、そうはいかない。話が終わってしまうからだ。ゲスい人間ドラマが展開する。喉が乾く。お腹が空く。外に出られたら何でもしますぅ、オカアチャーン!
奥深い作品だと言わんばかりに、不思議なシーンや想像力を掻き立てるような場面をあざとく作り出し、芸術性をアピールする。
巨匠L・ブニュエルが監督したシュールレアリスム映画の幻の傑作だか、幻だけあって実体感がない。ドキドキしない。胸糞もしない。悲しみも感じない。ただ、猛烈に早く終わってくれと願う気持ちのみを感じる。
でも、これが傑作の証だ。観終えるのに忍耐力が必要なところが自称映画通の望む作品なのだ。本作を低評価すると、たちまち「アンタは映画がわかっちゃいねー」と餌食にされること必至の怖い作品だ。