Sankawa7

小早川家の秋のSankawa7のレビュー・感想・評価

小早川家の秋(1961年製作の映画)
4.0
Netflix強烈レコメンにて☺
浮草見たからのレコメンだと思うけど色々な意味で趣が全く異なる作品。

いきなり読み方が、こはやかわ、なのに違和感😅
関西ベースで当地出身の役者も多く流暢な関西弁が繰り広げられる中、中村鴈治郎演じる造り酒屋の入婿旦那の晩年の日々と変わりゆく昭和の中で旦那の死が家族のあり方を大きく変えていくペーソスに満ちた作品である。

酒屋の長男の未亡人原節子の縁談話から始まる。相手は森繁久弥‼️かなり彼女のことを気にいるもあまりその気は無い様子。

酒屋のほうは旦那が留守にしがちになり番頭や家を守る次女新珠三千代とその夫小林桂樹中心に回っている。

原節子と仲が良いのが次女の司葉子。宝田明から求婚され家を取るか自分の人生を取るか迷う。昭和もはもうそんな時代になってきたか‼️と感じた。
そして旦那はお得意の愛人とその娘の下に足しげく通うパターン☺
そして愛人役がなんと、朝ドラのおちょやんのモデル、浪花千代子‼️
何かつかみどころのない感じの役だが後半重要な役割を務めることになる。

火葬場の煙突の煙みながら呟く笠智衆の言葉、長男の嫁原節子の決断、次女司葉子の決断、長女の旦那小林桂樹のビジネス的な決断、昭和の歴史の転換点を明示的に示す。そして死の象徴であるカラス達、小津安二郎監督の人生が晩年に入ってきた事を暗喩するかのような表現。
なんか森繁久弥かわいそうじゃないか😭

笠智衆の言葉、神さんかよ‼️と思いつつまさに昭和ではその通りだったが、平成、令和になり死ぬ数よりも生まれてくる数の方が少なくなってしまう人口減社会は誰にも予測できなかったのだろうな。まぁこれも国が長らく隠蔽していた不都合な真実の1つだけど😅

何が解決するでもなく、突然終わるシュールな作品。異色の作品ながら心にずっしりくる面白さ。

本物のおちょやんが見れてよかったです☺
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