マリア

パッションのマリアのレビュー・感想・評価

パッション(2004年製作の映画)
5.0
宗教映画で1番好きな作品です!
DVDまで購入して何度か観ています。
この映画を観る上で予備知識がいくつか必要とされます。
例えば聖書への理解まではなくとも、
神の教えを人々に伝えるイエスには弟子が12人いたこと、非常に激しい暴言暴力による迫害は神を信じない人間の愚かさの表現であるため必要な場面であること(この酷さと同じくらいに人間は罪深いという意味)、そして聖書には苦しみや迫害を受ける人は幸いであり天の国へ入れるという考えがあること(山上の垂訓と呼ばれ映画にも登場する)、その迫害をイエスが受けて亡くなることで人間の罪を代わりに背負うことに繋がるため生まれた時からこうなることをイエスは知っているし、むしろこの為にイエスは生まれてきた。(=この最後を通して全ての人々の罪が許されるため)
なので、あらかじめ簡単にでもイエスが亡くなる前にゲッセマネで祈り裏切られ捕らえられるというくだり以降を知っておくことで、この作品の素晴らしさを理解することができると思います!
逆に理解していなければ、折角鑑賞してもただのバイオレンス映画にしか見えないかもしれません、、。

この素晴らしい作品への強いこだわりは、監督であるメルギブソンが敬虔なカトリック教徒であることが由来しています。
聖書通りに当時を忠実に再現すべく、英語やイタリア語ではなく、なんとアラム語とユダヤ語で役者が演じています!
これがこの映画で特に評価されている素晴らしい点!
多くの宗教映画で、ここまでの難しいこだわりを持って作られた作品は他にないのでは。
聖書を忠実に描くために、12年間の歳月をかけて制作されています。自費製作でここまでの高度なクオリティで作られている映画も珍しいのではないでしょうか。
ショッキングな迫害を通して、人々の罪を背負って亡くなったイエスの素晴らしさと尊さが分かる映画です。
マリア

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