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『監督・ばんざい!』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.5
 レントゲン検査に横たわる青い人形、胃カメラ検診で口から入れられるカメラ、医師は腹部の断面を見て診断結果を示すが、今度は御本人が来て下さいと人形に告げる。映画監督・北野武(ビートたけし)は98年の『HANA-BI』がヴェネツィア国際映画祭金獅子賞を受賞し、同じく2003年の『座頭市』はヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞。すっかり巨匠と呼ばれる地位にまで登り詰めたが、あろうことか「暴力映画は二度と撮らない!」と宣言し、次に撮る映画の内容で思い悩んでいた。伊武雅刀のナレーション、勝手知ったるギャング映画、舎弟の寺島進と共に相手の組で容赦なく銃をぶっ放した北野武はヒット作を世に送り出そうと、これまで手のつけてこなかったジャンル映画に片っ端から挑戦する。まず最初に手掛けたのは、『定年』と呼ばれる松竹・大船調の小市民映画だった。小津安二郎に無邪気なオマージュを捧げたロー・アングル。娘・明子(木村佳乃)の役はさながら『秋刀魚の味』の岩下志麻だろうか?続いて『追憶の扉』や『運転手の恋』というラブ・ストーリーを手掛けるが、内田有紀をヒロインに据えたシリアスな恋愛ものにまでどうしてもヤクザ映画の手合いが混じる。

 今作は前作『TAKESHIS'』同様に、北野武が自身のフィルモグラフィを自虐的に見つめ、解体・脱構築したメタ・フィクションに他ならない。たけし君人形は、「世界のキタノ」と呼ばれるようになった自身への辛辣な風刺であり、寡黙だったこれまでの武のフィルモグラフィを大袈裟に突き詰め、人形のため一言も言葉を発しない。ホラー映画『能楽堂』、忍者アクション映画『蒼い鴉 忍 PART2』なども出色の出来だが、北野氏が一際思い入れのある昭和33年の風景を綴った『コールタールの力道山』が特に素晴らしい。塗装職人だった父・菊次郎の狂気をビートたけしが思い入れたっぷりに演じた父親像にリアリティが滲む。ただ後半ラストに登場したSF大作『約束の日』のクオリティが、一番尺を取っているにも関わらず、凡庸に期しているのが勿体ない(但し江守徹の怪演っぷりは見ておいて損はない)。12本にも及ぶ自らのフィルモグラフィを俯瞰した北野武は、まるで『ソナチネ』の後の『みんな〜やってるか!』のように断片を繋げながら物語を紡ぐが、『みんな〜やってるか!』との一番の差異は監督・北野武の孤独の病巣だろう。前作『TAKESHIS'』同様に、ここにはメタ・フィクションとして冷笑した自身の輝かしいフィルモグラフィへの風刺と反骨が息衝く。自家中毒に陥っていた北野氏のフィルモグラフィはこの後ゆっくりと変容し、『アウトレイジ』3部作のような暴力映画を奇を衒わずに闊達に描写するようになる。『TAKESHIS'』同様、低迷期の北野氏にしか撮り得なかった混迷を極める物語は、北野武氏の最も気の利いた批評家は北野武氏自身であることを声高に主張する。
茶一郎

3.9
 「こういったギャング映画は、北野武の最も得意とするジャンル所である。」「しかし、何とこのバカ監督は内外のインタビューにおいて『ギャング映画は二度と撮らない』と宣言してしまったのだ。」
 ギャング映画を撮ることを自ら封印した監督・北野武が、小津安二郎風家族映画、恋愛映画、『三丁目の夕日』的昭和30年代モノ……と様々なジャンルの作品に挑戦するも上手くいかない、そんな劇中の北野監督と映画監督としてスランプに陥っていた現実の北野監督を重ねて描くブラックコメディがこの『監督・ばんざい!』。

 前作『TAKESHIS’』から次作『アキレスと亀』に続く、北野監督の芸術家としての葛藤を描く三作は「芸術家三部作」また「葛藤三部作」と呼ばれ、特に前作『TAKESHIS’』は北野監督の個人的半生を強く混乱する映像に刻み込む「人間=北野武」版のフェデリコ・フェリーニ監督作『8 1/2』でしたが、今作『監督・ばんざい!』は「映画監督=北野武」版の『8 1/2』と言えます。というよりも今作は『8 1/2』の直接的な翻案と言って良く、冒頭、画面に大きく『Opus 19/31』(『作品番号 19/31』 19は北野監督が製作に関わった作品数、31は北野監督が目指す作品数)とタイトルが出て消されていく演出は、同じく作品数をタイトルにした『8 1/2』への隠さないオマージュでありました。
 
 物語および編集は『TAKESHIS’』の混乱より、とても観客に優しい混沌っぷりと言え、個人的には「コメディ映画としては清々しい失敗作」ですが、「ビートたけし版『8 1/2』としては大成功作」ととても好意的に意義深い作品と捉えています。
 オープニング、北野監督本人の代わりに「たけし人形」が人間ドックを受け、医者に「今度は本人に来て下さいね」と怒られる、また武監督が窮地に追い込まれるとすぐに身代わりとなる人形を「都合が悪くなると人形になりやがって」と怒鳴る岸本加世子など、前作『TAKESHIS’』の芸人「ビートたけし」をピエロとして笑う監督の自分自身に対する冷めた客観的な視点と重ねて、「映画を撮る芸術家・北野武」と「扮装をしてコマネチで笑わせる芸人・北野武」との分裂を印象付けられます。余計なお世話ですが、「芸術家三部作」を見ていると「武監督は『ビートたけし』を演じていて楽しいのかな……」と心配になってくるという訳です。

 終盤、フェリーニが『8 1/2』でSFを撮れずに困惑したその過程が、今作の劇中劇『約束の地』というSF映画への北野監督の挑戦という描写に反映されています。
 あらゆるジャンル映画、そして非常にメタ的なクールなギャグから、体を使ったチープなギャグ、あらゆるコメディ要素を加え、それらをぶち壊すラスト。『8 1/2』が「人生は祭りだ」と人間の混沌とした人生を肯定したように、完全にぶっ壊れた映画を「壊れています」と冷静に診断し最終的には『監督・ばんざい!』と映画監督を肯定する大団円を否定することはできない。何より、今作がきっかけでヴェネチア国際映画祭では「監督・ばんざい賞」という賞が設置された訳ですから、単に荒唐無稽な一本として捨ててしまうには勿体無い偉大な一本のように思います。
一

一の感想・評価

3.0
ようやく北野武作品コンプリート※

自ら主演を務め、スランプに陥った映画監督の姿をパロディやギャグを散りばめながら描く

北野武版『8 1/2』…?

北野監督自身への自虐でもあり、同じような作品に溢れる邦画界に対する皮肉ともとれる演出

この作品を最後まで後回しにしていたのは正解だったけど、決してつまらないとも言い切れないのがファンの悲しい(?)性である

小津安二郎風人情劇、ラブ・ストーリー、ホラー、時代劇、SFなどと、あらゆるジャンルにチャレンジしている監督の苦悩をコミカルに描いており、前半は五つの短編、六本目の延長が後半に繋がるという構成が、少しとっちらかってしまっている印象

映画に対する愛はものすごく伝わってくる作品だったが、おそらく監督も本気で作った映画ではない
『みんな~やってるか!』ほどのわちゃわちゃ感はなくかなりシュールなので、肩の力を抜いてみるのに丁度良いクオリティ
江守徹のぶっ飛び具合はめちゃくちゃ笑ったけど、特別な見どころは見当たらないので完全にファン向けの映画ですね

しかしこの作品によって過去の自分をぶっ壊した経験から、『アウトレイジ』というヒット作を生み出せたのだと思うと少し感慨深い

〈 Rotten Tomatoes 🍅-% 🍿52% 〉
〈 IMDb 6.4 / Metascore - / Letterboxd 3.1 〉

2020 自宅鑑賞 No.429 GEO

─────────────────
※以下勝手に北野武作品ランキング

①キッズ・リターン
②アウトレイジ
③菊次郎の夏
④あの夏、いちばん静かな海
⑤座頭市
⑥ソナチネ
⑦HANA-BI
⑧アウトレイジ ビヨンド
⑨アキレスと亀
⑩3-4x10月
⑪その男、凶暴につき
⑫BROTHER
⑬龍三と七人の子分たち
⑭アウトレイジ 最終章
⑮Dolls
⑯みんな〜やってるか!
⑰TAKESHIS'
⑱監督・ばんざい!

『アウトレイジ』でどはまりした北野作品もこれでお終い…?
まだまだ情緒のある素晴らしい北野作品がみたいです🥺🙏🏻

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2013年09月28日

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