おかつ

日本暴力列島 京阪神殺しの軍団のおかつのレビュー・感想・評価

5.0
在日朝鮮人やくざをテーマにした作品で、東映実録路線の中でも異色作。しかも監督が山下耕作なので、演出がちょっと任侠映画チック。

実録やくざ映画が苦手な知人と見に行った際「仁義なき戦いは苦手だけどこれは楽しめた」と言っていたので、どんぱちやかましい実録路線が苦手な方々、健さん鶴さんの任侠映画がお好きな方々には結構すんなり楽しめる作品かと。


内容は置いといて、山下将軍の演出する悪役・成田三樹夫が見れたことは幸せの極み。
成田三樹夫は実録路線の群像劇風味の演出でも際立つ個性を発揮しますが、重く様式美を重視する任侠映画でもバツグンの存在感、そして深い芝居を見せてくれます(是非江波杏子の女賭博師シリーズを御参照ください。)。

人の感情は表情で撮る山下監督ですからとにかくアップが多いのも素晴らしい。成田三樹夫のアップがいっぱいだよ母ちゃん!!
小林旭、梅宮辰夫と言うコロコロツヤツヤ熱々コンビの仲を引き裂く悪魔のようなあいつこと成田三樹夫。

山下将軍の情感豊かで、熱いしっとりとした演出だからこそ、成田三樹夫の渇いた冷たさが際立つというものです。

是非ご覧ください。
おかつ

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