マツモトタクシー

デカローグのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

デカローグ(1988年製作の映画)
4.0
ポーランド🇵🇱のクシシュトフ・キエシロフスキ監督の1話1時間で全10話のドラマを映画化した作品

団地内の話が多い為に別の物語の登場人物が顔を出すこともあるが基本関係性は薄く1話完結でそれぞれ独立した話

全ての作品に「ある○○に関する物語」とタイトルが付けられている
1枚に2話収録で5枚組として販売もされていた様子

その商品が配送TSUTAYAでレンタル出来るようなので頼んだら5枚の内の1、2枚目1話から4話までが廃盤で借りられず。。💦

現在アップリンク京都でデジタル・リマスター版として上映されており4話までを時間が短い為に特別料金の1本800円で観賞
残りの3~5枚目5話から10話をレンタルで観ることに💿



5話 ある殺人に関する物語
4.1点


タクシー運転手を殺害したヤツェック
若き弁護士のピョードルは尽力するが死刑判決が下される
刑の執行日ヤツェックはピョードルを呼び出し自身のことを話始めるのだった。。



以下ネタバレ


勿論、殺人は許されることでは無いけれど永山則夫死刑囚の境遇を思い起こさせる話だった
意地の悪い運転手だから殺られても仕方ないと思わせながらも殺られる寸前にいい人の部分を垣間見せて殺されるシーンを際立たせ観ている側を躊躇させる気持ちにさせるのは上手い演出だなぁと思った




6話 ある愛に関する物語
4.0点


毎夜向かいの部屋に住むマグダを望遠鏡で覗き見る郵便局員のトメク
何とか彼女に接近しデートすることになるのだが。。






以下ネタバレ



ヒッチコックの裏窓的展開😁
愛を知らずストーカー的行動を取ってしまう男と愛に自由奔放な女の話





7話 ある告白に関する物語
4.3点


16歳で母となったマイカしかし彼女の母エヴァは世間体を気にして娘アーニャをマイカから取り上げ孫を自身の娘として育てていた
ある日マイカはアーニャを連れ出し逃避行に出る
母エヴァも2人の行方を捜す
果たして「母親であること」を巡る逃避行の結末は?




以下ネタバレ


上手くいっていない母と娘の確執を描く
元教師との間に子供アーニャを身籠り出産したマイカ
しかし育てることが出来ずに妹として暮らし始める
鬱屈し鬱憤が溜まり妹だが本当は自身の娘を母親から奪う形で失踪する
母娘だが非常に女の母性愛の対立を感じた作品





8話 ある過去に関する物語
4.0点


大学で倫理学の教鞭をとるゾフィアは学長から学術交流でアメリカからやってきたエルジュビェタを紹介される
ゾフィアの授業に参加したエルジュビェアタはある質問を投げかける
それはゾフィアの封印していた過去を呼び起こすものだった






以下ネタバレ


ナチスが絡んだ辛く切ない話
結局助かったが自身の命を置き去りにされた主人公エリザベタ
其を悔いているゾフイア彼女にもまた辛い選択があった。。
仕立て屋の主人とのやり取りが切なすぎる





9話 ある孤独に関する物語
4.0点


性的不能に陥り回復の見込みがないと知らされた外科医ロメク
自暴自棄になった彼を妻のハンカは「愛は心の中にあるもの。。下半身じゃない」と慰める
しかし彼女にはどうやら若い恋人がいるらしくロメクは疑念にかられていくのだった。。






以下ネタバレ


性的不能者になってしまった医者と妻の裏切りを描く物語
一旦は和解しかけるが最後は勘違いで悲劇的な結末に。。




10話 ある希望に関する物語
4.2点


父の死で久しぶりに会ったアルトゥルとイェジーの兄弟
疎遠だった父が遺した切手コレクションにとんでもない価値があることを知った2人はその莫大な遺産に驚愕する
2人は父が最後まで手にできなかった希少なコレクションを手に入れるべく奔走するが。。





以下ネタバレ


最後を締めくくる作品は心なしか他の作品よりコミカルに感じた
ただやはり最後は悲劇的に終了




十戒をモチーフに制作に入り当初は10人の監督を迎える予定だが変更され監督自身が全部撮ることになる
但し撮影監督は全作品ではないがその都度違う監督を起用

アルティル・バルテス演じる男は超自然的な存在(天使?悪魔?妖精?)として各話を繋ぐキャラとして殆んどの作品に登場
ミルクも各話の関連記号として描かれている🥛

10話の点数を足して割ると4.02になったので4.0点評価です😃

人生とは辛く悲しいことも多いがそれでも生きていくというメッセージが感じられる作品群だった☺️