Ryoma

みじかくも美しく燃えのRyomaのレビュー・感想・評価

みじかくも美しく燃え(1967年製作の映画)
4.1
緑の中に佇む男女の姿。互いに見つめ合い、微笑み合い、仲睦まじく同じ時間を過ごす彼らの姿が微笑ましくもあり、同時に、いつか終わりを迎えるであろうそれが切なくもある。それを助長させるバイオリン🎻などの擦弦楽器の素敵な音色が心地よく時に胸が苦しくもなった。
風景描写も素晴らしく、バイオレット色の紫紺がかった海辺に朧げに揺蕩う茜色の沈みゆく夕日が美しすぎて、シーンの切なさと相まって今でも脳裏に焼き付いて離れない。
脱走兵は許されずひとたびそれを行えば牢獄行きな時代。社会が決めたその命令や運命、人生に抗い、自分の思いに正直に生きることを決めた彼は、短くともきっと幸せな人生だったに違いない。
時にぶつかり合いながらも最後まで駆け抜けて愛し合った2人の姿は眩いくらいに本当に美しかった。
自分で自分の想う人を選べる今の社会は本当に幸せなんだなと強く感じた。
Ryoma

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