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ザ・ガードマン 東京忍者部隊のfallenleavesのレビュー・感想・評価

4.2
不死身の男さ ザ・ガードマン……。

なにしろ「ザ・ガードマン」の2作しかない映画版のひとつということで、宇津井健を見る気満々で臨みましたが、ここは嬉しい誤算、我がヒーロー、成田三樹夫と戸浦六宏が主役といっても過言ではない作品でした。プログラムピクチャーの佳作然とした一本ですが、名バイプレイヤーふたりの濃厚な演技、仲間割れっぷりでザクザクお釣りが戻ってきます。ベージュのロングコート、手にはライフルという姿がさまになりすぎる成田三樹夫と偽警官姿が似合いすぎる戸浦六宏が金塊強奪を目論む仲間同士でありながら金、女、覇権を巡って火花を散らし合う。これだけでも観たくなりませんか。もし加えて佐藤慶が出ていたらバイプレイヤー胃もたれ必至の世界観です。
マスキュリンな「男の世界」に華を添える明星雅子もいみじくキュートでありました。
何よりの見どころは成田ミッキーの散り際! すべてに裏切られ、ハチの巣にされたゾンビミッキーが「乗せてくれ……」と車にすがりつき、引き摺られたまま果てます。彼が演るからこその壮絶なシーンでした。

さまになりすぎる男たちの刹那的な世界、弓削太郎監督が鮮やかに描ききりました。
『今夜は踊ろう』の田宮二郎を見たときにも思ったんですが、この監督の作品に登場する人物はニヒルでどこか醒めている感覚がたまりません。実はすごい監督なのでは、とも思ったりしました。

因みに宇津井健は「西部警察」のボスに毛が生えたくらいにしか出てきません。それでも宇津井健をがっつり見た感じにさせられて、俳優の貌って大事なんだなぁ、とも。
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