だい

男の叫びのだいのレビュー・感想・評価

男の叫び(1953年製作の映画)
3.3
はい!ワタクシの大好物「雪山パニックもの」でございます!

俺なんでこんなに雪山パニックものが好きなんだろう。
って、考えてみたらですね、
たぶん、危機感が伝わるからだと思うんですよねぇ。

我々道民にとっては、
真冬に軽装備で何日も放置されるってそれだけで、

死ぬやろ!!!!!!!!!!

っていう確信しか感じないからね。

普通の遭難なら、自分が遭難したことないってものあって、
ワンチャン頑張れば生きてられるかも!?
と思うけど、
雪山遭難を想像した瞬間に、

いや、死ぬやろ!!!!!!!!

しか思わないもんなぁ。
まして雪崩発生!とかなったら、

生存確率ゼロやろ!!!!!!!!

以外の感想がない。


道民にとって、
いちばん身近にある死って、凍死だよなぁ、
と、思うわけです。


そんな中、大好きな「牛泥棒」のウィリアム・A・ウェルマン監督の雪山もの。
どうでもいいけど、「・A・」って、顔に見えるね。

レビューで「ウェルマン監督って何で日本で評価低いんだろう」ってのを読んだんだけど、これ観て完全にわかったわ。
危機感よりも信仰が上位に来てるんだな。

「牛泥棒」では、妻への日常的なメッセージよりも、神の考えとはどういうものか、ってのが遺書のメインだったし、
「戦場」では、襲撃される虞がある中でも戦没者への祈りを優先してたし、
今回もそう。せっかく僚機からの通信が来たから絶対に逃しちゃ行けないタイミングにも関わらず、死者の葬送を優先する。

あのね、
まずは生き延びることが優先やろ!!!!!!!

ってのが現代のごくごく通常の価値観なのに、
この監督って、むしろ信仰が優先なんですよ。
そりゃあ日本での評価上がらないわな。


それが貫かれてるから、
ジョン・ウェイン演じるドゥーリー機長も無茶苦茶言うんですよね。

部下から、わー助けてーどうすればいいんだろうー!って言われても、
「祈れ!!」としか言わない。
俺、上司がこんなならマジでぶち切れるわ。


あとあれな。
木や枝ででっかくHELPって文字作っておけば見つかりやすい、
って救助例とかあるじゃん?
そういうのやらないから、ああ、この時代はそういうアイディア自体なかったんだな、
って思ってたら、
僚機に発見してもらってから、
「LOVATT DEAD」って。

そのアイディアあるなら最初から「HELP」ってやっとかんかい!!!!!!!


まあそんなこんなツッコミ所あるけど、
特にあんな極寒で操縦席の窓開けたら死ぬぞ、
下手したら閉まらなくなるぞ、
とかあるけど、
総じて好きですよ。

主眼としては遭難側のサバイバルものというよりは、
捜索側の仲間意識の強さを描いた作品という感じ。
こういう男の世界の映画好きだからなー。


1950年になっても、
まだ地図の空白地帯ってあったんだな、ってのがすごい。
冒険心くすぐられるよね。
だい

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