クァク・ジェヨン監督に日本のオタク的素養があったのか、日本映画だからその方向性へとチューニングしたのかは分からないが、オタク男子の妄想的ラブストーリーを何の衒いもなく堂々と活写。観ているこっちが恥ずかしくなるぐらいだ。
同じ趣向を日本の監督がやろうとしてもこうはなるまい。どこかに照れが出るように思う。あまりにも突拍子もない描写や展開の連続だがあまりにも堂々と突き抜け過ぎてて。終盤に至ってはもうどうにかしている壮大なスケールの話へと。
根幹のSF的設定はターミネーターとドラえもんを臆面もなく丸パクリ。豪放すぎる。さすがに綾瀬はるかも丸裸でタイムスリップはしてこないが、ピチピチの恥ずかしいスーツ姿に寄り目やらロボットダンスやらを真面目にようやる……。それでいて魅力的なのだから凄い。ベッドにスローモーションで倒れ込むシーンのなんと偏執的なことよ。
通常の日本映画では企画の時点から成立しないであろう奇跡のようなとんでもないSFラブコメ。飛躍に飛躍していきこれでもかと畳み掛けるエピローグまで多幸的な快感に満ちている。