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『本日ただいま誕生』に投稿された感想・評価

MOCO

MOCOの感想・評価

4.0
「足もなけりゃ金もない
土壇場になりゃ死ぬ意気地もない
情けないやつだ俺って奴は
あぁぁ・・・」

 曹洞宗大垣法永寺住職故小沢道雄師の自伝小説の映画化です。
 主演の植木等さんはクレージーキャッツで大人気だったころからシリアスな俳優として活躍したいという願望があり「日本一のショック男」をクレージーキャッツ最後の映画とし、コメディアンからの脱却を図ります。
『本日ただいま誕生』は、1978年に独立プロダクションの映画としてクランクインしました。自らが僧侶の息子の植木等さんにとって僧侶の役どころのこの映画には相当な思い入れがあり、資金不足のために製作がストップした折りには、自ら渡辺プロダクションの渡邊晋社長に資金援助をお願いしたエピソードがあります。

 降旗康男監督にとっても独立最初の映画であったのですが、フィルムが喪失し、2012年、渡辺プロダクションの倉庫で偶然発見されるまで、幻の映画となっていました。
 発見後、日本映画の修復と高画質化を手がける「日本映画専門チャンネル」がフィルム修復を行い再上映されています。そのため「日本映画専門チャンネル」では過去に何回か放映もしています。


 出征先の中国で右肩の自由を失い、シベリアで抑留されていた大沢雄平(植木等)は1945年(昭和20年)の終戦で、牡丹江に向かう零下四十度を越える貨車の中で凍傷になり両足を膝より下から切断されます。
 翌年重傷者が最優先で日本に帰ることが決まると搬送のための担架を担ぐ4人の枠に横田(川谷拓三)、坂本(中村敦夫)ら元気な元兵隊が群がりました。しかし、搬送途中線路が爆破され、担架を担ぐ苦痛から荒野に置き去りにされ、親切な中国人に船に乗せられ帰国します。
 義足を付けた歩行訓練が終わった昭和23年、元々は実家のお寺を継ぐはずだった雄平は貧乏をしている実家に迷惑にならないように、退院すると亡くなられた連隊長の実家に身を寄せ、佐伯高子(宇津宮雅代)と知り合います。
 昭和25年雄平は連隊長の家を出て病院の一角で貸本とパンを売る店を始めます。
 ある日雄平はある店で店番をする横田を見つけ怒りをぶつけるのですが、時代が時代だったのだと諦めます。横田に坂本と引き合わせられ三人は雄平を社長に甲陽物産を立ち上げ路面店舗を構え患者同盟(戦争負傷者)の仲間から仕入れた農作物を売りはじめるのですが横田に200万円を持ち逃げされ倒産してしまいます。
 やっと見つけたサンドイッチマンの仕事は脚に負担がかかり、倒れたのを救ってくれたのは高子でした。
 高子は雄平のことを想って陰に隠れずっと見守っていたのです。

 高子の告白から二人の生活が始まり、妊娠した高子は生活苦を懸念し中絶し雄平は絶望します。

 ある日、男と連れ込み旅館に入る高子を見てしまった雄平は高子を責めるのですが、生活を支えるため体を売ったことを知ります。高子は「生活に疲れた」と書き置き家を出ます。

 脱け殻のよう部屋にいると金を持ち逃げした横田が訪ねて来て、謝るでもなく警察に追われていることと、自分の居場所を突き止め現れた坂本がやり場のない怒りを警ら中のお巡りに向け射殺されたことを告げて出て行きます。

「足もなけりゃ金もない
土壇場になりゃ死ぬ意気地もない
情けないやつだ俺って奴は
あぁぁ・・・。
よおーし」雄平は手首を切ろうと用意したカミソリで頭を丸めると袈裟に身を包み托鉢の旅にでます。
 安宿に身を寄せる雄平はヤクザの親分や詐欺師たちと心をかよわせます。年齢を偽って娼婦を続ける老婦人を本来なら入所できない施設に入れると、老婦人に「他人に預けている孫娘を引き取って、取り上げてしまった嫁に返してやって欲しい」と頼まれます。

 雄平は口のきけないマリという小さな娘を連れて、マリの母親がいる伊豆の温泉街へ向かいます。

 伊豆では多くの浮浪者が集まる洞穴で優しい浮浪者に囲まれマリは倖せなのですが、母親は見つからずある日マリは行方不明になってしまいます。浮浪者の一人が首吊り自殺を図るのを止めたマリは、その男に「おじさんと一緒に来てくれるか」と尋ねられ頷き連れ去られたのです(男は妻とマリくらいの娘を戦争で亡くしているようです)。

 警察にマリとマリの母親の捜索を依頼した帰り道、勇作は料亭で働く高子を見ます。高子は必死に生きていたのです、沢山のアメリカ兵に強姦された過去を引きずりなが、やっとめぐり会えた愛する男性と別れることになってしまっても・・・。
 惨めな姿になっていても、帰って来たことを喜んでくれた母親も、自分を中国に置き去りにした横田も坂本も、ヤクザの親分も、老婦人も、伊豆の浮浪者たちも、みんな必死に生きていたのです。

 雄平は朽ちたお堂で観音様に対峙します。
「観音様勘弁してください
私は恥ずかしい男です。
世の中の人はみんな
自分の苦しみに面と向かって闘っています。
それを私は足のないことをいいことに
甘ったれていました。
勘弁してください。

足が失くなったんじゃない
足は始めから無かったのです。

観音様 私大沢雄平は
本日ただいま誕生いたしました。
今日からは安住のすみかなど求めず、本当の生き方を探し求めます」
・・・そう誓ったところで映画は終わります。

 雄平が持つ人を許す懐の広い心は生まれ持ってのものだと思うのですが、連れ去られたマリもまた一緒にいる人を倖せにする不思議な女の子でした。きっと倖せになっていくのだろうと思います。

 53才の植木等さんが1920年生まれの小沢道雄氏の25才付近のころを演じるにはあまりに年をとりすぎ、帰国後大学に復学するエピソードや佐伯高子と連隊長の娘から想いを寄せられるシーンや母親役の原泉さんが老けすぎているところは展開上どうしても違和感があるのですが、この映画にかける植木等さんの熱量が伝わってきます。
 このお話、子供のころテレビドラマ版を観た記憶がうっすらとあります。

 中村敦夫・川谷拓三・北村和夫・河原崎建三・蟹江敬三・小林稔侍・室田日出男・常田富士男・大泉滉・江藤潤・高岡健二・荒井注・原泉・小夜福子・春川ますみ・赤座美代子・宇津宮雅代・山口いづみ・・・若い方にはわからないでしょうが、共演者の名前を見るだけで観たくなったりしません?
 2時間を越える大作ですが機会があれば観ておくべき一本です。
まりも

まりもの感想・評価

3.5
冒頭から、のこぎりで両足を切られる主人公。
自分は芋虫だと卑屈になりながらも、力強く生きる男を植木さんが演じる。
汚れたやさしい女を演じた女優さんも素敵。
川谷さんら、脇も味有り。

植木さんの演技は、わりとオーバーアクトですが、ふしぎと胸を打つ。
しっかり人生と戦って受け入れた姿が美しいと感じた。
と思ったら、急にクレイジーキャッツなところがあって、無駄に注さんやハナさん、谷啓などを出す。降り幅の大きさがふしぎな映画でした。
第二次大戦で両足を失った主人公・大沢。満州から帰国する途中、彼は仲間に置き去りにされてしまい…。

植木等の演技をこれでもかと堪能できる映画でした。一歩間違えばクレージー映画のそれになりかねない自身の笑い声を、本当に丁寧に演じ分けています。時には悲劇に、時には狂気に、時にはクレージーっぽさを残し、笑い声ひとつでここまで表現できるのか!と、ただただ驚かされました。

しかし本作はやや冗長でした。調べたところどうやら大沢にはモデルとなった実在の人物がいるらしく、その方の人生を映画化するんだからまぁ多少長くなるのは致し方ないのでしょう。植木等の魅力でカバーできる部分もあったでしょう。しかしそれでも退屈に感じました。もう少しコンパクトだったら違ったのになぁ、と思います。

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