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エイリアンのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

エイリアン(1979年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

暗黒宇宙の果て。機器は常にどこかが不具合。世界ソノモノが呪われているようなクトゥルー感。汚れアシンメトリーな構図。富裕層は次々とリゾート惑星を開発ツアー割引クーポン恩恵。採掘はロボット化されたけど資材の輸送と積み下ろしのオペレーションは最後まで人力。そんな底賃金下層な底辺炭鉱宇宙トラック野郎達の恐怖体験物語。その恐怖体験も中南米や南極界隈でイカニモ遭遇しそうな原住民風土病な寄生虫感染症その宇宙版。あくまでも時代劇四谷怪談な闇江戸情緒を楽しむように逆勧善懲悪の単純さを味わおう。兇状持エイリアンその悪の魅力の完璧ぶりをタップリ見よ。隠密アッシュのイヤラシサ。時代劇のようにアートグラフィック寄りの映画としてサウンドとヴィジュアルをメインに据えて味わおう。2001年宇宙の旅ではそうしたではないか。2001年やスターウォーズとかのシリーズでは設定の揺れ曖昧さを腐す奴はいないのに何故エイリアンだと重箱の隅をつつくのだ。やめよう。とにかく映画というよりこれはグラフィックアートなのだ。同系の傑作ウルトラセブン侵略する死者の宇宙船が空飛ぶ下水処理施設風だったようにノストロモは空飛ぶ石炭精錬施設風を思わせるフォルム。エイリアンシップはなんか出雲大社っぽいし。共に絶大にスチームパンクしてて最高。産卵場所の下水道感にいたっては悶絶もんの素晴らしさ。前半と後半の落差も魅力。動く原子炉な完全無敵生命体殺戮マシーン。確実に全登場人物を仕留めてゆく。後半のクソゲーなテレビゲーム的展開は良くも悪くも後世やシリーズ後続への影響絶大でエポック。
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