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πのsのネタバレレビュー・内容・結末

π(1997年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

砂のような映像。
インダストリアルな音楽。
鉄、回路、螺旋、無限。

ループに陥った機械は、回路が焼き切れる刹那、自身の構造を理解する。
機械が吐き出した216桁の数字は、男を同じループへと誘い込む。
太陽を見た男の瞳孔は針の穴になって全てに焦点が合う。同時に男は光を失った。

数学の映画ではなく、あくまで数学を出汁にしたサスペンス映画。早い話が、数字を呪文や彫刻と置き換えてもこの物語は成り立つ。
数学的な要素がフィボナッチと黄金比くらいしかなかったことからみても、監督が撮りたかったのは神秘主義の数学ミステリーではなく、単にモノクロでのかっこいい映像だったのだろう(だったらもっと脳みそひっくり返るような煮えたぎるシーンがほしかったが)。

シナリオ自体は大したことないが、鉄男とNINとダリ好きは脳みそのツボをドリルでほじくられる、そんな作品。
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