ローズまりぃ

πのローズまりぃのネタバレレビュー・内容・結末

π(1997年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

521本目。
2022 324
今回も白黒。しかも数学の話なので数字しか話に出てこない。更に架空の数字たちなので人を選ぶ作品だったなぁと思った。




(以下の文はサイトから引用させてもらった。自分が見返す以外の用途では使用しない 映画男のただ文句が言いたくてとhaccle)
ダーレン・アロノフスキー監督の映画「π」(円周率のπである)。この映画には数学的なネタがちりばめられている。これらを解説する。また映画の主人公は数学者であるがこの元ネタと思われる人物についても解説する。
主人公のモデルはスティーブン・ウルフラム?
主人公の元ネタと思われる人物は2人該当する。
スティーブン・ウルフラムの天才エピソード
スティーブン・ウルフラムはイギリス生まれアメリカの数学者・物理学者。πの主人公とほぼ同じで10代のうちに最初の論文を書き17歳で大学を卒業さらに20歳の時には博士号を取得していた。若いころにはすでにセルオートマトンでは先進的な研究を行っている。絵に描いたような天才である。彼は高校のときにはクラスメイトの宿題を変わりに行う代わりに料金をもらうという形でバイト代でもうけていたという話もある。また彼は計算等価性原理 (Principle of computational equivalence) という信念をもっている。これは「自然界のすべての現象はシンプルなアルゴリズムで再現できる」というもので映画の主人公の主張に似ている。
計算のシーンはジョン・フォン・ノイマンがモデル?
映画の暴投では何桁もの足し算や割り算の暗算を瞬時に行うというシーンが出てくるがこれはノイマンが得意としていた暗算である。彼は電話帳を適当に開いて出てきた数字をすべて足して遊んでいたという超人エピソードを持っている。また当時の簡易的な計算機を使うよりもノイマンが上を向いて計算した答えが一番早くて正確だったとか最初の電子コンピュータであるENIACをみて「自分の次に賢いやつができた」といって笑ったとかいうエピソードが残っている。
数学的なテーマを扱う映画であるのでそのようなねたが数多く登場する。その一部を解説する。マックス・コーエンはニューヨークのチャイナタウンの小さなアパートでほとんど人と関わることなく生活していた。彼は片頭痛、妄想、幻覚などに悩まされ度々発作を起こし薬を服用する。慣れていない人と接しようとすると特に発作がひどくなり不安に駆られて仕方がなくなるような有様だった。マック・コーエンは数論の天才ですべての物事は数字で説明できると信じてやまなかった。そんな彼が唯一まともに話すのは同じビルに住むすでに引退した元数学者のメンターのソルだ。ある日マック・コーエンが自作のスーパーコンピューターに株式市場の予測をするようにプログラミングしようと試みるとコンピューターは216桁の数字を吐き出してから故障した。ソルもかつてπの研究をしていたときに216桁の数字に遭遇したと話した。ちょうどその頃偶然喫茶店で知り合った宗教家のユダヤ人レニーも数学の研究者でユダヤ教の律法トーラーについて研究しているらしかった。レニーによるとトーラーに書かれていることもまた数字で表すことができそれは神によってコード化されたメッセージだという。そこにはあるパターンがありそれもまた216桁。それを聞いて以来マック・コーエンは216桁の数字に取りつかれていく。



オープニングの円周率が間違っている
オープニングで円周率が次々に表示されていく演出がなされるがこれはじつは途中から間違っている。この映画の磁気には小数点以下数億桁まで計算できているためこの間違いは意図的なものである。映画では3.1415926526・・・となっているが真の値は3.1415926535・・・である。「完璧なものなどなにもない」というような監督からのメッセージともとれる。
鏡が割れるシーンはロジスティック写像のグラフ
鏡を叩き割るシーンが出てくるがこの割れた後がロジスティック写像のグラフの形になっている。ロジスティック回帰はカオス理論などで有名なグラフである。「この先の展開がわからない」という監督の演出意図が垣間見える。
最後にでてくる割残派円周率の近似値
映画の終わりに主人公は暗算ができなくなるが最後のシーンで少女に問われた割り算724÷238 は答えを出すと3.14285714286・・・となる。
これは円周率の近似値として結構近い有理数である。
ローズまりぃ

ローズまりぃ