▪️JPTitle :「π パイ」
ORTitle:「π」
▪️First Release Year : 1998
▪️JP Release Date : 1999/07/10
▪️Production Country : アメリカ
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-290 再鑑賞
🕰Running Time : 85分
▪️Director : ダーレン・アロノフスキー
▪️Writer : ダーレン・アロノフスキー
▪️MusicD : クリント・マンセル
▪️Cast : ショーン・ガレット、マーク・マーゴリス、スティーヴン・パールマン、ベン・シェンクマン、サミア・ショアイヴ、アジャイ・ナイデゥ
▪️Review
🖋これまたアメリカではカルト的な人気を博して日本でもスマッシュヒットした作品ですね。ダーレン・アロノフスキーの才能が全面にでた作品で、スタイリッシュなモノクロ映像に数字という知的な媒体を用いて、宗教的要素を描いている異色のスリラー作品です。独特な世界観で数字の文字とテクニカルな音楽が巧く融合していて、現実なのか妄想なのか曖昧な境界線へ観る人を導いて行きます。

🖋数学的な言葉や宗教観が出てきてやや難解な作品作りにはなってますが、そのストーリーよりは、スリラー的な演出や映像と音楽を流して観るというイメージの作品だと思いました。そのしてそのクライマックスも主人公の妄想なのか？神の仕業なのか？。。。その境界線の曖昧さも一つの世界観なんですね。

🖋結果、低予算映画ながら全編モノクロームの斬新な映像表現や、難解なストーリー、刺激的なテクノのBGMで1998年度サンダンス映画祭最優秀監督賞など、数々の賞を受賞しています。

😅物語は。。。
常人離れした知能指数を持つが日常生活には順応できない男、マックス・コーエン（ガレット）は自作のスーパーコンピュータを用いて日々株式市場の予測を行っていました。「世界に存在する事象のすべてはそれぞれ一つの数式で理解できる」と信じる彼の前に、ある日コンピュータが巨大な数字の塊を吐き出しました。216桁のその数字には、かつて円周率 (π) を研究していたマックスの師ソルも辿り着いていたのです。彼はその日を境に216桁の数字が持つ不可思議な魔力に取り付かれていきますが。。。

▪️Overview （映画. comより）
数字にとりつかれた男の妄想を、非現実的な映像で描く前衛作品。監督・脚本は新鋭ダーレン・アロノフスキー。製作はエリック・ワトソン。製作総指揮はランディ・サイモン。撮影はマシュー・リバティック。編集はＣＭ出身のオレン・サーチ。音楽はクリント・マンセル。美術はマシュー・マラッフィー。出演はショーン・ガレット、「エース・ベンチュラ」のマーク・マーゴリス、「ファースト・ワイフ・クラブ」のスティーヴン・パールマンほか。98年サンダンス映画祭最優秀監督賞受賞。

『π』　原題π
製作年1997年。上映時間85分。

数字にとりつかれた男の妄想を、非現実的な映像で描く米国前衛作品。
当時29歳だったダーレン・アロノフスキーの出世作で、なんでも、製作費わずか6万㌦ちゅう低予算映画やのに、斬新なモノクロの映像美でシュールな哲学的思考を表現して話題を呼んだ作品す。
エンタメ度はかなり低いし、退屈になるかも知れませんが、嵌まればドップリと脚本や撮影、そして編集の仕方等々感動出来るかも作品かな。
アート関係に就いておられる方にはセンスを感じさせるし、得るものがあると思います。

天才数学者マックス・コーエンは、自作のスーパーコンピュータを使ってカオス理論に基づいた株式市場予想の研究をしていた。
世界の全ての事象は数字によって支配されとると信じる男マックス。
自作のコンピュータを用いて株式市場の予測をおこなっている。
ある日、コンピュータがクラッシュして数字の塊を吐き出したが、ユダヤ教の神を表すといわれる216桁のその数字を、マックスは
『神のメッセージ』やと思い込み、その日を境に、妄想の世界へと入り込んでいくアブナイアブナイ。
その数字をめぐってマックスは株式コントロールを企むマフィアと、ユダヤの秘密結社から狙われることになる。。。

観る者の理解を遠ざけるような謎めいた物語を、よけいに神秘的に表現しとるんは、かなり刺激的なイメージによる映像美ちゃうかなぁ。
ザラざらZARAついた質感のモ ノクロ画面てのは、人の体温を一切受け付けん不安感に満ちている。
血を流しながら地下鉄ホームに佇む男。
怖ええ笑顔を浮かべて延々とボヤキ続けるユダヤ人。
究極はクソただれた脳髄を這いずり回るアリの群。
そないなとこにノイジーでいて陶酔感を抱かせるElectropopなサウンドが絡まり～ので、生理的に嫌悪感さえ招くほどのスーパーリアルな雰囲気が生まれているかな。
先日観た『アンダルシアの犬』を想起させよる。
余す所なく妄想のイカれた狂気に触れた人物ばかりが登場する中で、
唯一、主人公の学生時代の恩師だけが冷静な役割を負ってる。
親父の忠告を聞かず天高く飛んで、太陽の熱で蝋が溶けてしまい海に落ちて溺死するイカルスの話をして聞かせ、主人公に対しで
『高く登りすぎるな』
と忠告する。
ほんで、これこそがダーレン・アロノフスキーのメッセージなんやと思う。
精神、
知力、
矜持さえも蝕んでしまうパラノイア的な生き方てのは、人々が願うまっとうな人生と呼べるのか？
数字に支配された世界て、あくまでアロノフス キーのギミックにすぎひんやろけど、それを映画の素材としてスッキリ見事にまとめあげた手腕はホンマ素晴らしい。
鬼才ダーレン・アロノフスキーの出発点を探る意味でも、個人的にですが、本作は観るべき価値のある一作でした。

数字こそが全ての基盤となっている。のか。
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「ブラック・スワン」「レスラー」「レクイエム・フォー・ドリーム」などで知られる胸糞映画界の巨匠ダーレン・アロノフスキーのデビュー作品。低予算で作られた自主制作映画って夢があるよね。デヴィッド・リンチの「イレイザー・ヘッド」とかも同じ類な気がする。邦画だったら鉄男とかも似てんのかな。
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テーマはかなり面白い。数学に取り憑かれた男と言いますか、数字こそがこの世の全てを作ってるって信じてやまない天才の話。216桁の数字が何かの鍵になるって豪語する主人公に対して、師匠的ポジションのおっちゃんが「お前はその数字しか見えてないだけ、勝手に繋がりを作ろうとしてるだけだ。216って言う数字はそこまで重要じゃないかも」ってアドバイス(説教)してたのが印象的。それが見えてるんじゃなくてそれしか見えてないんだってことなのか。この映画全体のテーマを言い表す一言だった気がする。
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話は数学から経済、宗教、哲学へと移行していく。全てフィクションなのは分かってるけど中々リアルで面白い。映像もレクイエムのオリジナルを感じさせる(服薬のシーン)。細かいカットを湿り気のあるテクノ音楽に載せて繋ぎ合わせる。まさにダーレン流。MVの延長のような映像はデビュー作から健在してたのか。粗めの白黒も緊張感が増して良い。黒人の女の人から逃げるシーン特に好き。
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社会への適応に苦労しながらも、常人離れした知能指数を誇る天才数学者のマックス・コーエン（ショーン・ガレット）は、自作のスーパー・コンピューターは用いて、日々、株式市場の予測を行っていた。そんなある日、“この世でおこっている全ての事象は数字で表現できる”と信じるマックスの前に、スーパー・コンピューターが216桁の数字を吐き出す。この数字を巡って、マックスは思いもよらない出来事に巻き込まれ、苦悩の日々を送ることになるのだった…。
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ぜひぜひ