ウシュアイア

毎日かあさんのウシュアイアのレビュー・感想・評価

毎日かあさん(2011年製作の映画)
3.2
西原理恵子が二人の子どもと元夫で戦場カメラマンの鴨志田穣との生活を描いた作品。

ストーリーのながれはほぼ『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』同じだが、『酔いがさめたら~』は鴨志田のアルコール依存症との闘病がメインとなっており、こちらは西原の子どもとの関係がメインで、アルコール依存症の父親は脇役に過ぎない。

おおまかなストーリーはほぼ同じなのだが、こちらは完全にマンガ原作のホームドラマに仕上がっており、『酔いがさめたら~』と違って、深刻さがあまり感じられない。

代わりに、タイトルの通り、原作者の子どもとのほのぼのとしたエピソードがメインになっているせいか、こちらの方が万人ウケすると思う。ちょっと気になったのが、鴨志田視点で描いた『酔いがさめたら~』では、最初から妻・西原は非常に治療に対して協力的に描かれているのに対し、西原視点の『毎日かあさん』では、「アルコール依存症の治療は家族の協力が必要なのに・・・」と自分の理解のなさを心の中で詫びるシーンがあり、そのずれが家族の機微なんだなぁ、と思わずにはいられない。

キャスティングは、『酔いがさめたら~』とほぼ甲乙つけられない。
永作博美も小泉今日子もよかった。観ていて感じたのは、永作博美は『毎日かあさん』の演出・脚本でも違和感なくやれると思うが、小泉今日子だと『酔いがさめたら~』の深刻な脚本では成り立たないと思う。

(2011年3月3日)
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