ウニ

戦争と平和のウニのネタバレレビュー・内容・結末

戦争と平和(1956年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

本作の原作について「ロシアの知識階級が戦争に巻き込まれ受け入れていく流れは、現在に通じている。ロシアの国民性が表されており、国を代表する古典たる所以。国を理解するにはその国の古典を読むべし。」みたいな話を聞き、とりあえず映画にて鑑賞。

ロシア貴族、享楽的で楽しそう。財力もすごそう。予想に反して陽キャ。でも、家柄とか名誉欲とか、本妻でない息子さんの相続とか、世襲の硬直した世界でもやもやしてるところに、戦争キター。
貴族の若者は、家の名誉のために戦に出ていくも、隊の明暗が自分の裁量如何の重圧、さらに自分を含め誰も幸せにならないことに気付く。戦い方が関ケ原レベル。
さらに、日頃接点のなかった農奴の皆さんと共に戦い、改めて領民を知ったことも、自然主義的視点につながったんですかね。

しかし、ナポレオンを撤退させたのは、後々までロシアの皆さんの誇りとなり、国民性に根付いてそう。領主とともに勝った歴史の記憶。

ヘップバーンが常にお洒落番長なので、最後まで飽きずに見れた。

ラストの引用がとてもよかった。
「成し難いが大切なのは、
命を愛し、苦渋の時も愛し続ける事だ。
なぜなら、命がすべてだからである。
命は神なり。
命を愛すは、すなわち神を愛す事である。」
トルストイ「戦争と平和」

「あなたはこの家のように 苦しみ、傷つきながらも、ちゃんと立っている。」
ウニ

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