勝沼悠

半次郎の勝沼悠のレビュー・感想・評価

半次郎(2010年製作の映画)
3.6
 幕末から西南戦争にかけて活躍した薩摩の豪傑、桐野利秋の人生を榎木孝明が映画化。

 鹿児島に育ち示現流を学んだ俳優が桐野利秋の映画をつくらないわけにはいかない。榎木孝明がこの映画にどれだけの思いを込めているかが痛いほど伝わってくる。
 何よりそれが伝わるのは榎木孝明の示現流の気合である。本当の示現流の人は「チェストー!」なんて言わない。ものすごい高い声で「チェー!!!」なのだ。あの声聞くだけでこの映画を見る価値がある。
 年始の6時間時代劇特番を無理やり2時間に縮めたような内容なのでなんか不全感があるが、この映画はワンシーンワンシーンをただ鑑賞する映画なんだと思う。きっと鹿児島の人は色んなシーン見ながら「西郷どん」とか「半次郎どん」とか言いながら泣いているんだろうなぁ。

 示現流の気合は本当にすごい。あの熱が維新の一つの原動力だったんだとこの映画は実感させてくれる。
勝沼悠

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