とーるさんし

半次郎のとーるさんしのレビュー・感想・評価

半次郎(2010年製作の映画)
3.9
冒頭の俯瞰で捉えられた戦場のショットから気合の充満した力作であることが窺える。その後も要所要所で創意に満ちた場面、ショットがある。流石に美術では昔の作品に負けるが、予算的な制限や不足を殆ど感じさせない見事な出来だ。

アコーディオン、軍楽隊、拍手など音楽的演出の充実。主要キャラにそれぞれ見せ場となる死に様が揃えられているのも良い。榎木孝明の笑みを印象付けること。戦場に降る雨は、やはり涙の雨なのだ。

殺陣もちゃんと動作をフィクスで撮り、無駄にカメラを揺らさない、カットを増やさない。最優秀はAKIRAの最期か。武器を投げ渡す下りと民家の主との一件が良い。
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