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ゴーストワールドのmasayaのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.1
誰よりも賢くてクール。特別なたった一人の女の子だった筈の私は、ダサい奴ばかりの世の中と噛み合わないまま、やる事なす事裏目。気づいたら何もない誰でもない一人ぼっちになっていた。膨らんだ自意識にヒリヒリし、社会の冷たさに震える。飛び切り残酷なモラトリアムの終わり。

イーニドが共感性羞恥型の主人公で見てられなさがすごいのだけど、彼女に付き纏われるオタクおじさんのシーモアもなかなかの情け無さでインパクト残る。この二人の崖っぷち感。逆に最初連れ立ってフラフラしていたレベッカ(当時16歳のスカヨハ!)はさっさと定職に就いて、割と真っ当に生きられそう。

あのバスが乗せていったのはイーニドの精神だとして、その行き着く先はあるのか。どこかでずっと走り続けるバスと後部座席に佇んでいる彼女の心。余韻というより不思議な喪失感に胸が痛む
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