ぼうず

ゴーストワールドのぼうずのレビュー・感想・評価

ゴーストワールド(2001年製作の映画)
4.0

イーニドがダンサーに合わせて激しく踊り狂う強烈なオープニングからもう最高。

本作ではイーニドとレベッカが高校を卒業した所からストーリーは始まる。
僕も今年高校を卒業しました。
彼女達と似たような心身の状態で本作を見れたことはとても貴重な体験ができたと思ってます。

イーニドの自分勝手さにムカつきもしてしまうが、応援したくもなってしまう自分がいる。
どこにでもいる、型にハマったような生き方を嫌がるイーニド。
拗らせてんなーと思いつつ、自分も学生生活は髪型をスキンヘッドにして周りとは違うことをしていると思い込んでいたし、本作でイーニドが髪を緑に染めたように僕も最近では髪を金髪に抜いては”普通”が嫌だといってる時点でそこら辺の拗らせ具合は一緒なんだと感じましたね(笑)。

度々本作では扱われる周りからの”疎外感”
考え方が合わない・共感できないと思ってしまうことは時々あります。
でもこれって10代だけがいえることではないと思えるんですよ。
それが本作で出てくるシーモアに当たるのではと思います。
彼はコレクターでマニアでオタクで世間とは疎外している。
そんな彼に魅力を感じるイーニドには共感してしまう。
今やネット社会で自分と同じような考え方の人なんてすぐに見つかるだろう。(暗に学校にはほとんどいなかった映画好きもネットには溢れてるし、自分なんかよりも凄い人なんてうんといる)。
ただ、本作の世界にはネットなんてものも存在しない。
自分も大学に入ればサークルとかに入って自分と似たような考えの人達(”疎外感”を感じない、一緒に居て安心する人達)を探しにいくつもりです。
イーニドがいつも来ないはずのバスを待つおじいさんを見ては心の拠り所にするように。

連絡も無くフラリとどこかへと消えていきたい。
全てを捨てて、どこか遠くで一人になりたい。
ここが本作で痛いほど共感した部分なんです。
でもそれは簡単な事ではない。
だが、自分にとってそれができる場所はこの作品では音楽、僕にとっては映画なんだと思っています。
人との関わりは大変ですね。


半裸のヌンチャク男が最高。
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